Gifts, Estate and Trust, 贈与、遺贈と信託
概論(全体像)
2010年から2012年はTax relief, unemployment insurance reauthorization, and job creation act (TRUIRJCA)が2010年12月17日に法律となり、この法律の有効期限は2年間だったため、2013年1月2日に、現行の法律、American taxpayer relief act (ATRA)が律法化されました。この法律により、Tax relief, unemployment insurance reauthorization, and job creation act (TRUIRJCA)にある連邦遺産税Federal estate taxes, 贈与税(Gift taxes) 並びに世代飛越移転税(generation-skipping transfer taxes)をpermanentとしました。以下、ATRAに基づいて、説明します。
まず贈与と遺産税の全体の形から説明します。
贈与税
米国合衆国は直接または間接的とにはかかわらず、または信託を設定する方法またはその他の方法とにかかわらず、米国市民並びに居住者による贈与、(Gift),による財産権の移転に対して贈与税を課税します。非居住者の場合は譲渡時にその財産権が米国内に位置している物的財産(real property)または人的財産(personal property)に対して贈与税の対象となります。
以下、この文章をお読みになる場合、常に、自分は居住者か非居住者か、そして自分が対象としている財産は物的財産、real property,俗にいう不動産 なのか人的財産なのかを頭に入れながら、お読みください。)
贈与税は譲渡する側に課税されます。譲渡された資産の市場価格、つまり、現在の値段に対して課税されます。その課税に対して控除があります。控除の対象は配偶者に対してのある種の贈与と慈善事業に対してです。年間の贈与で、贈与者一人当たりに対して、一人の受贈者に対し、上限$14000(2015年)まで無税です。たとえば、Aさんは既婚者で奥さんのBさん、各々に2015年では$14,000の枠があると考えれば、子供のCさんに各々$14,000づつあげられますから、計$28,000まで無税となります。(配偶者が外国人の場合、この金額は$145,000となることに留意してください)したがって、この控除は$14,000までper donor, per doneeと理解してください。この金額を超過した段階で、フォーム709申告用紙での申告が必要となります。しかしながら、下記したように、$5,430,000にも上るlifetime gift tax exemptionがありますので、税金を支払う人は少ないです。これをAnnual Gift Tax Exclusion と呼びますが、もう一つ、Lifetime Gift Tax Exemptionがあります。この二つを分けて考えてください。2015年におけるLifetime Gift tax Exemptionは$5,430,000であり、最高贈与税は40%です。
遺産税
遺産税は、米国市民または米国永住者の人が死亡したときに課税対象遺産に対して課税されます。並びに死亡時に米国に所在する、非居住者に所属するある種の遺産に対しても課税されます。遺産税は財産を遺して死亡した人、被相続人、の遺産に課税されます。遺産の評価額は死亡時の市場価格です。その他、死亡時の、被相続人の(死んだ人の)所有していた資産に対する権利のほかに、連邦遺産税は下記の資産にも課税されます:1.生命保険、但し、その保険が死んだ人の財産権として支払われるか又は被相続人が死亡時に所有権を保持していた生命保険に限ります。2.死亡した人が死亡時にその財産の一般権利取得者指名権を所有している財産。権利取得者指名権とは財産権を持っている者が或る者に与えた、その財産についての権利の帰属者を指名する権限。この場合、死亡者がその財産に対して権利の帰属者、誰がもらうかを、指名する権限を持ている財産。3.死亡者が持っている年金、または死亡者の雇用者が死亡以前に死亡した人のために買っておいた年金。4.合有財産権(joint tennacy)が付帯している財産。5.亡くなった人が生涯権を保有している財産で、それを生前中に譲渡、移転した財産 または 亡くなった人が誰がその財産を所有すべきか享受すべきかを明示する権利を持っていた遺産 6.生前に亡くなった人により移転や譲渡の撤回があったとされる財産、7、死によって効力を発するある種の移転、譲渡なども課税の対象に含まれます。
課税遺産の算出の仕方:
Worldwide gross estate (世界中の遺産)
less: certain allowable deduction such as a marital deduction for certain bequests to the surviving spouse of the deceased (マイナス:配偶者控除)
less :a deduction for certain bequests to charities.(マイナス:慈善寄付)
equals =(イコール)
Taxable Estate (課税遺産)
要約すれば:
世界中にある総遺産(マイナス:配偶者控除)、(マイナス:慈善寄付)=(イコール)(課税遺産)
贈与税と遺贈税は各々独立した税として存在していたのですが、1976年に部分的に両税は一体化しました。その結果、一つの累進税率が課税贈与と課税遺贈に適用されるようになりました。しかし、2001年の税改正で、遺産税と贈与税は結合していたある部分を分離されたのですが、税率に関しては従来どうりの一つの累進税率が個人の課税贈与と課税遺贈に適用されます。
この累進課税率では、2014年では、一体化した遺産税と贈与税は累積課税に該当する資産の移転譲渡は(ということは、免除額を超過した額は)、まず最初の$10,000に対して税率18%から始まります。そして$2,000,000以上の移転譲渡に対しては45%の税率に達します。
2014年の統合税控除は$2,081,800であり、これは免除額の$5、340,000にあたります。2015年では$5,430,000です。配偶者の使われなかった免除額は生存配偶者に移行されます。従って、全額が移行された場合、生存配偶者の免除額は$10,680,000となり、これは税金して$4,163,600が税控除に該当します。そして、2014年以降もインフレ率を加算されますから、この金額はインフレ率だけ大きくなります。こうなりますと、従来の遺贈と売却によるキャピタルゲインの考え方にも変化が出てきます。この件に関しては、一番最後の章で述べたいと思います。最後の章を参考にしてください。
Generation-skipping transfer
世代飛越移転と呼ばれます。親の遺産は子に、子から孫に、そのたびに遺産税と贈与税が課税される。これは避けたい。そこで考えられたのが親が信託を設定し、そこに親の財産を移行する。そして、子は自分の生存中はその信託が稼ぎ出す収益を享受する。子の代では遺産の移転はない。子が死亡した時点で、信託財産は孫に移転する。世代飛越の術です。ところが1976年の税の改正で、飛び越しても、各世代間の移転があたかもあったと同じように課税することになりました。Genaration-skipping transfer tax , 移転飛越移転税と呼ばれ、2014年の税率は移転額が$5,340,000を超過する額に対して定率の40%を課税します。
以上が概略です;言葉での説明にはどうしても限界があります、そこで、簡単な例題を創ります:例題
A子さんは今まで一度もギフトをしたことがありませんでした。2010年に課税の対象となる$345,000のギフトをしました、(この金額は年間の無税譲渡後の金額です)。A子さんは2014年に亡くなりました。遺産総額(gross estate)は$1,055,000でした。彼女には$100,000の借金があり、葬儀費と管理費、合わせて$50,000かかり、ご主人に彼女の所持金を総額で$550,000残しました。
解答:
遺産総額(Gross estate) $1,055,000
葬儀費用と管理費 50,000
借金 100,000
人的財産遺贈 550,000
計 700,000
課税遺産 355,000
生前のギフト総額 345,000
課税遺産とギフトの計 700,000
700,000 - 500,000=200,000 x 37% + 155,800 = 229,800
仮設税額 229,800
2014年の統合税控除は$2,081,800ですから、免除額は2,081,800 - 229,800 =1,852,000となり、この金額が生存配偶者に移行されます。
例題を乗せました大きな理由は課税対象が所得ではなく、移行される財産の価値、それも現時点における市場価格である、つまりIncomeに対してではなくValueに課税されます。そして財産を移行する権利に対する課税、つまり消費税の一種であることです。贈与税の場合は生前中の移行する権利に対する課税であり、遺産税の場合は自然人の死に伴う移行する権利に対しての課税であります。
税と聞くと、我々は所得税を考えます。重要な点は所得税と異なり、贈与税と相続税は財産の移行に伴うExcise Tax(消費税)です, Excise Tax(消費税)は物やサービスを移行することに課せられる取引税です。通常、その取引の量に課税されます。例えば、手じかな例として、ガソリンを例に挙げれば、売買されたガロンに対して定率で課税されます。贈与税も相続税もExcise Tax(消費税)でありますが、その課税ベースは量ではなく、Value,価値であります。市場価格です、同時に定率ではなく、累進税率であります。例題を挙げます。
例題
8月1日に、AさんはBさんからある土地を買う契約をしました。その土地の売値は$250,000で、Aさんは売値の一割に当たる$25,000を頭金として支払い、残金の$225,000を契約の締切日の10月15日に支払うことになりました。それから2週間ほどしたほど、この買った土地の近くに超高速道路の建設計画の発表が州政府から発表され、それから2週間後、大手のデパートが建設計画をこの土地の近くに、そしてホテルと、ゴルフ場の建設など、この土地の周辺は一挙に土地売買ブームが展開されました。その結果、土地の値段は急騰し、10月1日の時点でAさんの土地は$2,000,000の評価がされました。あまりの喧騒さと土地の値段の急騰に耐えられなくなったのか、10月2日、急性心臓麻痺でAさんは他界してしまいました。
質問:このような場合、Aさんの遺産総額の報告方法はどうなるのでしょうか?
フォーム706で報告することには変わりはありません。その706報告書の中のスケジュールAは不動産関係ですから、そこに売り手Bとの8月1日の土地の購買契約による権利:市場価格$2,000,000:買値:$250,000:頭金:$25,000:未払い残金:$225,000(スケジュールK参照)と表記し、死時の価格を$2,000,000と記載します。
次に借金やモーゲッジなどの借財関係を記載するのはschedule Kです。
記載欄に貸主名:B. 8月1日の土地購入契約の購入残高:$225,000. 以上のように、買値、つまり、costではなく、市場価格、現在の市場での価格で報告されます。
Value
土地の価格はステップアップされ、この値が相続税の対象価格となります。無論、相続する人もこのステップ・アップされた価格で相続します。仮に、Aさんの遺産がこの土地だけだったとすると移転額は$5,340,000以下でありますから、2014年の時点では税金はゼロです。相続する人はこのValue を継承するわけですから、$2,000,000の土地を所有することになります。
日本と米国の相続税の相違の注意点
税を課する側、各国々にはそれぞれ国民に税金を課する理由が違うようです。日本の場合、相続人が財産を取得することに注意が置かれ、従て、相続人がその取得財産に対して税を払う、遺産取得課税の形をとります。要するに、貰ったではないか、それだけ財産、増えたではないか、それに対して課税する。米国の場合、この形をとりますと、この財産は被相続人が生前に税金支払い後のお金で取得した財産で、したがって、税金を一度、支払ったいるのである。もう一度、支払うことは2重課税となるという意見が浮上してきました。従て、米国政府の意見は所得に対して課税しているのではない、被相続人が財産を移行するという権利に対しての課税であり、excise tax, 消費税の一種である、したがって、遺産課税であり、遺贈する側が支払う。1921年のNew York Trust Co. v. Eisner, 256 U.S. 345に始まり、大いにその合憲性は議論されてきました。移行、Transfer、でありますから、Transfer Taxであり、移行するのでありますから、被相続人、亡くなった人が、その財産にたいして移行する権利があったのかどうか?今度は遺品に関する所有に関しての注意点が浮上してきます。
総遺産の移行
総遺産とはどこまでを指すのか、つまり 死亡したの人の所有していた財産とはどこまでを含むのかということを定義しているのが法令の2033ですが、極めて、短く、簡単な表現ですので、英語で表示します:”The value of the gross estate shall include the value of all property to the extent of the interest therein of the decedent at the time of his death"。以上です。
内国歳入庁法令の2033から2046に従い、死亡時に被相続人が所有していた財産はすべて総遺産、Gross Estate,に含まれます。さらに、法令の2035から2038にわたり、生前に移行したとしている財産のうち(死亡時に所有していない)、中には死亡時の総遺産に含まれる財産もあるとする細かい指示があります。例えば、年金、権利取得者指名権、合有不動産権、生命保険などの権利とか権力であります。売買取引とは関係ない、無償の移行は遺産税の監査の対象となります。法令の2043が細かく、約因の性格、約因の妥当性を定義し、無償として遺産税を逃れるの防ぐためです。配偶者控除、夫婦間の財産の移転は原則として非課税です。被相続者の放棄された財産とか権利も遺産税の範囲の外にあります。
ギフトとは?
単純に贈与、要するに無料で人にものをあげたことと考えがちですが、では、受け取る側や与えたとする方に知能的な面に障害があった場合は法的に贈与が成立するのかどうかなどの問題があります。以下、贈与の必要条件を箇条書きします:
1.贈与する側に知能障害がない、存在しない。認知症の問題ですね。
2.受贈者がその財産を、財産権を受領し且つ所有しうる人であること。(例えば、年齢的な問題を暗示してます)。
3.贈与者に贈与の意図が存在すること。(要するに、見せかけではないこと)。
4.その財産や財産権が実際に且つ又擬制上で(法の上で)受贈者にまたはその正規な代理人に配達されたこと。(誰も知らずに、配達されていたことではない。)
5.受贈者による贈与の受領があったこと。(ここでも、受領とは単に受け取ったという行為だけではなく、それを保有する意志の表示する行為であること。)
このように法律家のガイダンスが必要となります。例えば簡単な例を挙げれば、AさんはBさんの玄関に宝石の入った小さな箱を置いときました。Bさんはその小さな箱を見つけ、家族の誰かが置き忘れたと考え、引き出しに入れました。ここには受領も配達の姿もありません。受領とは単なる受取とは区別されるからです。
通常、贈与があったかどうかを判定するのに、連邦の贈与税下と州税下の贈与税はほぼ同じですが全く同じではありません、例外があります。
結婚前の取決めによる資産の移行は州法では贈与とはみなされませんが、連邦法では贈与とみなされます。贈与であるか、贈与でないかの決め手はその資産の移行が”full and adequate consideration" であるかどうかのです。充分な、正当な金額が支払われているのであればそれは当然、贈与ではありません。それが金額であれば明白ですが、そうではない、色々なとりきめが存在するので、むずかしくなるのです。例えば、連邦法下では”結婚する”という約束は約因とはみなされません。これが州法との違いです。これまた、実体でみるか、方式でみるかにより解釈が違ってきます。
不完全な移行は贈与ではありません。ところが、その後、不完全さが完全になれば贈与とみなされます。
第三者との商売上の取引では明白な移行が、家族間では不透明な移行になりがちです。良くあげられるケースが、AとBが他人であり、商売上の理由で、AがBにお金を貸したとしましょう。のちに、BがAに借金を払い戻すことが出来なくなり、Aはその借金を無効とした。これは贈与ではないとされます。しかし、もしAとBが親子であり、商売関係は存在しなかったとなると、これは贈与とみなされる。他人同士のAがBに50,00ドルで土地を売却したとしよう。Bがその土地を掘ってみたところ、貴重な鉱山資源脈が地下にあることが判明し、土地の値段は100,00ドルになった。これは贈与とはみなされないが、A to Bが父と子であったとし、父親は地下の鉱山資源の可能性を知っていたとすると、贈与とみなされる。それでは親子間の金銭の取引がすべて贈与となるかといえば、そうではない。例えば、学校の授業料などはその例外である。
生存中の譲渡と死をもってする譲渡 (Lifetime versus Death Transfer)
例えば、DがDの死をもって、Dの所有している米国債はBの名義となると遺書に書かれているとしても、現時点ではBが貰ったのは期待であり、所有権はDの死をもってなる。Dはこの人の生存中にその意図を変えるかもしれないし、売却してしまうかもしれない。したがって、ここには贈与は存在しない。生命保険の場合も同じです。DがB を受託者として生保保険を購入する。この場合もこれはDの死亡によって発効する財産処分です。遺言をなすという自由意思です。Dの死をもって支払われた金額は遺贈となり、生存中の贈与とはならないのですが、この金額はDの総遺産の中に編入される。ところが、Dがこの生命保険を生存中にBにあげてしまったとすると、これは贈与となります。
贈与になりうる要注意点:
1.共同所有権
2.生命保険の移転
3.権利取得者の一般的指名権
1と2は解かりやすいですが、3はわかりにくいので説明いたします。(財産権を持っている人がその財産を或る者に付与します、その付与した財産に関しての権利の帰属者を指名する権利)、ややこしいですが、信託などを設定したときに、信託された財産の処分の際に、信託設定者が留保している権利です。そうした指名権を持ち、それを付与した者を英語ではDonorと呼び、付与された者をDonee, 指名の対象となっている財産をAppointive property, そして最終的に指名され、その権利の帰属者となる者をappointeeと呼びます。doneeがappointeeと同人であることもあります。計画的に遺産の処分を考える場合に重要です。
贈与の年間控除額
2014年と2015年では一人あたり、$14,000です。一人娘の家族の場合、お父さんとお母さんの両人で$24,000まで娘に贈与税なしで、贈与が出来ます。毎年、インフレ率が加算されますので、要注意です。また、前にもふれました子供たちの授業料はこれとは別です。また、将来権は年間控除が該当しません。将来権とは将来の時点とかある条件が満たされたとか、将来のおいての何かの成就にともなって、初めて取得できる権利です、この権利は現時点でも譲渡できる権利でもあり、単なる期待権ではないのですが、それでも将来権は控除外です。
贈与税の計算方法例題
太郎さんが娘の花子さんに下記の贈与をしたとします。
2004年贈与額 $ 800,000
2007年の贈与額 300,000
2009年の贈与額 200,000
計 1,300,000
2002年から2010年までは非課税額は$1,000,000であり、これは免除税額にすると$345,800に該当します(この金額をmax. unified creditと呼びます)。2004年以前には贈与はなかったのでゼロです
本年贈与額 800,000
過去の贈与額 0
今年度を含む贈与累計額 800,000
前年の贈与税 0
今年度を含む贈与累計額に対する贈与税 267,800
本年贈与額に対する贈与税 267,800
非課税額 1,000,000
本年度に該当する非課税額 1,000,000
非課税額に相当する税額 345,800
前年度への割り振り額 0
今年度への割り振り可能総額 345,800
今年度への割り当て額 267,800
2007年
本年贈与額 300,000
過去の贈与額 800,000
今年度を含む贈与累計額 1,100,000
前年の贈与税 267,800
今年度を含む贈与累計額に対する贈与税 385,800
本年贈与額に対する贈与税 118,000
非課税額 1,000,000
本年度に該当する非課税額 1,000,000
非課税額に相当する税額 345,800
前年度への割り振り額 267,800
今年度への割り振り可能総額 78,000
今年度への割り当て額 78,000
2009年度
本年贈与額 200,000
過去の贈与額 1,100,000
今年度を含む贈与累計額 1,300,000
前年の贈与税 385,800
今年度を含む贈与累計額に対する贈与税 465,800
本年贈与額に対する贈与税 80,000
非課税額 1,000,000
本年度に該当する非課税額 1,000,000
非課税額に相当する税額 345,800
前年度への割り振り額 345,800
今年度への割り振り可能総額 0
今年度への割り当て額 0
以上ですが、上記の各贈与税の計算法は税務当局の表によります。2009年の贈与税$465,800の計算例を下記します。今年度を含む贈与累計額は1,300,000ドルでした。2009年の税控除金額の最高額は$1,000,000です。非課税に相当する税金は$345,800です。$1,000,000、この金額を超えた分、300,000に対しては40%の税がかかります。300,000x.40=120,000です。120、000+345,800=465,800となります。
贈与税申告に関する諸注意事項
1.税務フォームの709で申告をします。(1)その年の控除額、2013年から2015年は年額、一人当たり$14,000です。ですから、この金額以下の場合は、申告の必要性はありません。
(2)夫婦間の資産の移行はいかなる金額でも、unlimited amount, 申告の必要はありません、非課税です。
1. (3)アメリカは合衆国であります、したがって、州により法律が違います、9のcommunity property statesと呼ばれる州があります: Arizona, California, Idaho, Louisiana, Nevada, New Mexico, Texas, Washington and Wisconsin. Alaska は an opt-in community property state と呼ばれ、その州の住民のせんたくにまかされます。 これ以外の州はcommunity property 州では無いため 夫婦間の資産の移行に相違があり、不公平が生じたため、法令のセクション2513のgift-splitting electionという条項を加え、不公平さを変えたのですが、その不公平さを下に説明します;
2. 太郎さんと花子さんは夫婦です。ミシガン州に住んでいます。夫婦間で贈与がありました。
贈与額 10,220,000
年額控除 (14,000)
課税対象額 10,206,000
10,206,000 - 1,000,000=9,206,000 x 40% =3,682,400 + 345,800=4,028,200。となり、これに対して税額控除の$2,081,800を引きますから、最終的に税金は$1,946,400となります。
さて、彼らがカルフォルニア州に住んでいるとすると、以下のごとくなります;
太郎 花子
贈与額 5,110,000 5,110,000
年額控除 (14,000) (14,000)
課税対象額 5,096,000 5,096,000
$5,096,000-1,000,000=4,096,000 x 40%=1,638,400 +345,800=1,984,200となりこれに対して是岳控除$2,081,800を引きますから、税金は両人ともゼロとなります。これでは不公平でありますから、セクション2513をもうけ、いわゆる Split Giftを夫婦間の贈与では認めることにしたのです。しかし、Sprit Giftの場合は申告を必要とします。
4.申告日は所得税申告と同様、贈与日の翌年の4月15日です。
5.その他、申告もれには、所得申告と同様に罰金が課せられますし、不足分には金利が付せられます。
6.所得申告の延期は同時に贈与申告、フォームの709にも適応されます。
7.消滅時効も所得税と同様に適応されます。
Net Gift 手法に関して:
一般にはあまり知られていない手法ですが、受贈者が贈与者に代わって、贈与税を支払う方法です。したがって、税金の分だけ贈与額が少なくなります。贈与者は贈与をしたいのですが、現金が不足しているなどの状況に発生しますが、贈与者に対して所得が発生する可能性があります。理由は法廷の解釈がこれは部分販売であり、部分贈与であると解釈しているからです。例えば、贈与税の額が贈与された物の取得価格より多いい場合、この超過分は実現価格が税務上の取得価格を超えているとされ、利益とみなされます。
Gross Estate 総遺産
税法セクション2033 遺贈者(死者)の財産
総遺産に含まれる死者の財産とは法令の2033に規定されている死者の Interest(権利)、つまり死者の財産権、所有権です。ここでは、常識的な権利は読者の判断にまかし、注意すべき事項を下記します:
1.死者の病院代とか薬代などの医療保険の支払い分は総遺産にふくまれます。
2.死者が存命中に支払った税金で、死後に払い戻しがあった額、これも総遺産に含まれます。
3.車の事故などで死者がこうむった痛みとか苦痛に対して支払われた金額は、これが生存配偶者に支払われる場合でも、死者に対して支払われたとして、総遺産にふくまれます。
但し、不法死亡訴訟、死者の生存近親者が起こす訴訟に対する支払いは含まれません。
賃貸物件の所有者が月の中半で死亡します、そして家賃は月の初めに支払われたとします。このばあい、半分が総遺産に含まれます。
寡婦産権とかんふ権 (Dower and Curtesy Interest)
充分、法律家と相談をする分野ですが,税法令のセクション2034にありますので、限られた範囲で説明をします。コモンローでの定義は多くの州では州法に置き換われており、死者の遺産は生存配偶者の法廷取得分となるとされています。これはどういうことかといえば、例を挙げて説明すると、例えば財産を配偶者に渡さず、すべて子供に遺産として残したとします。この場合、州にもよりますが、配偶者は死亡した配偶者の遺書に反して、生存配偶者の法廷取得分をとることが出来るのです。
前にも書きましたCommunity State, 例えばカルフォルニア州などの場合、生存配偶者の取得分は死亡配偶者の総遺産の中にはくわえられません。なぜなら、死亡配偶者の物ではないからです。従って、セクション2033は該当しません。ですから、総資産の中に加えられないのですから、該当する財産権に対する配偶者控除はありません。夫婦財産権というのはその州に居住している時に取得した時点で発生します。つまり、カリフォルニアに住んでいる時に取得したのであれば、それは Community Propertyであります。取得時の居住州の法が支配するのです。
死の3年以内にされた贈与 -セクション2035
多くの誤解を呼ぶ分野です。通常の場合、この期間のギフトは贈与者の総遺産の中には含まれません。この種のギフトはほかの1976年以降の課税対象贈与と同様な取扱いなのです。しかしながら、もしも贈与者が贈与をしておきながら、変更したり、訂正したり、取り消しをする様な権利を保持している場合はこの期間の贈与は贈与者の総遺産に含まれます。特に、生命保険の贈与はは死ぬまでの3年間の間はその生命保険のポリシーが贈与者の名義になっていますから、贈与をしたとしても、これは贈与者の総遺産に含まれます。また そのようなギフトに課せられる贈与税も総遺産の中に加えれます。これはグロスアップ アプローチと呼ばれ、贈与税額が遺贈税逃れをするのを防ぎます。次に、
それは総遺産の中に含まれるべきものなのか、それとも計算上、課税ベース額を算定するために課税遺産に加えれるべきものなのか、この違いを説明します。もしも、その贈与が総遺産の中に加えられ物であるなら、それの価値は再計算を、再評価をする必要があります。贈与者の死に伴って、その日の市場価格であるための金額が加算される必要があります。一方、その贈与物が課税遺産に加えられるものであるならば、その贈与物の価値は贈与を受け取った日の価値となります。前者の場合は遺贈者がなくられた日の市場価格を、後者の場合は贈与がされた日の、贈与日の価格となりますし、無論、加えられるのは課税価格ですから、年額控除($14、000)を指し引いた残額となります。
セクション2035に規定してある、死の3年以内にされた贈与が贈与者の総遺産に含まれないという規定は以下の4点に関しては該当しません;1、セクションの2036、生涯権を持続保有した贈与、2.セクション2037、死という結果で効果をもたらした資産の移転、3.セクション2038、撤回可能な移転、4、セクション2042、生命保険からの支払い。
不完全な資産移転に関して、セクション2036と2038
税法規セクション2036と2038の考え方は被相続人が、遺贈者が資産の遺贈をしました、しかし、この行為の後も遺贈者は遺贈された資産に関してある支配を維持しているという見解を、概念を前提として遺贈をしているとします。ですから、このような移転は遺産税法上、不完全、不十分であるとされます。
例題を挙げます;
夫とその妻が両者で夫婦共有財産権を信託を設定し、信託名義とします。信託の内容は生涯権を妻に、残余権を子供たちに設定したとします。その4年後、夫は他界しましたが、彼の総遺産の中には何も含まれません。なぜかといえば、確かに彼の部分の夫婦共有財産権は信託に譲渡されていますが、譲渡人ではあっても彼は設定した信託に対して何の権利も支配も持っていないからです。今度は妻が他界したとします。そうすると信託に設定されている夫の共有財産権は彼女の総遺産の中に、彼女の夫婦共有財産権とともに含まれます、なぜかといえば彼女は夫の分に関しては生涯権をもっていたと同時に彼女は自分の分に関してはその財産の子供たちへの譲渡人でもあるからです。つまり、財産に対しての支配力と生前、信託財産を享受していたからです。
要約すれば、彼女には2の権利があった。一つは生涯権、もう一つは自分の分の財産の譲渡権です。
例えばAさんが信託を設定し、BとCに生涯権を、そしてDに残余権を与えたとします。ただし、信託からの収入に関してのBとC へのその配分の権利をAが有していたとします。この信託はAの総遺産の中に含まれます。同様に、したく収入の配分をBとCに配分するか又は配分をしないで、その収入をDのために信託に備蓄しておくとしても、この信託はAの総遺産に加えられることになります。
年金、セクションの2039
概略的な説明ですが、年金とはある個人または会社がある個人(年金受給権者)にある期間に固定金額を支払う契約です。期間については無制限のもの(in fee)、生涯限りとするもの(for life),一定期間のもの(terms of years)などが存在します。支払いの間隔や金額の定め方、期間満了前の受給者の死亡時の支払いの対処方法など色々な差異があります。。commercial contracts とnoncommercial contractsの違いを説明します。Commercial の場合は会社の場合、多くは保険会社です。保険会社と契約を結び、年金を組む形ですが、Noncommerical の場合はPrivate annuityともよばれ、例えば信託を設置し、そこに貸しアパートなどの資産を信託財産とし、そこから年金を支払うような形の年金制度です。
年金の種類
(1)Streight life annuityとは保険会社が年金受給者に生涯、定期的に年金を支払い、その人の死をもって支払い義務を終了するような年金です。
(2)Joint and Survivor annuityとは保険会社がAとBに定期的に年金を支払い、A またはBの死後も、生存者に支払いを続行する。
(3)Self and survivor annuity .会社がAに定期的に年金を支払うことを約束し、Aの死後もAが指名した受益者の生存中、年金の支払いを継続する。
(4)Refund featureという条項が年金にはありますが、これは年金受給者が早期の死に遭遇したために、会社が資金投資の一部返還を年金受給者の遺産にもどすまたは年金受託者が指定した受益者に一部を払い戻すことを意味します。
例題
Aがstreight life annuityを購入します。内容は65歳に達した時点で毎月$6,000受け取ることが出来ます。
Aは70歳の時に亡くなります。この場合、死の直前までの収入は別として、このAnnuityは総遺産の中には含まれません。しかし、例えば 同じ条件に、さらに生存者財産権として生涯、月額$3,000をWに支払われるという条項を付加したとします。Wは62歳で他界したとします。Aの総遺産は62歳の人の生涯に月額$3,000支払われる同等の契約の価値を含みます。
以上を方程式で表現すれば:
年金購買価格に対する死者の寄与額を年金の総購買額で割ります。算出された商に死者の死亡時の年金の価値または戻り金額を掛ます。この算出された積が亡くなられた年金受領者の総遺産に加算される金額です。
例えば、前例と同じ条件で、AとWはカルフォルニア(共有財産制度にもとずく州)に住む夫婦だとします。年金契約の保険料は共有財産から支払われています。従って、Wは半分を支払っているわけですから、Aの総遺産に組み込まれる金額は半分ということになります。
共同所有権 Joint interests セクション2040
(1)Tenancies in common 共有不動産権
同一の土地に対して複数の者が、同時に共有をなしうるそれぞれ独立の権利を持っていることです。一人の所有者が死亡したとしても、その人の持ち分は他の保有者に吸収されることはなく、各人の持ち分はそれぞれ別個に相続されます。合有権者に権利なし。
(2)Joint Tenancies 合有不動産権、4 unities.
同一の不動産に関する同一の譲渡行為によって、2名以上の者が同一の時に始期を有する同一の権利という、4っの同一性の要件を備えた不動産権で、権利者の内のある一人が死亡した場合には相続を生じず、その権利は生存者の権利の帰属の原則により、残りの合有権者の権利に吸収されます。Unity of time, unity of title,
Unity of interest, Unity of possessionの4っの同一性の要件に注意。
Unity of time とはその財産への所有権が同時に発生しなければいけないのです。Aが持っていて、それをBと共有するのでは、同一発生ではありません。もしあえてそれをするのであれば、Aはまず所有の財産を、第三の人物に(案山子さん)渡し、そしてCからAとBは同時に譲り受ける、これにより所有の同時性が満足されます。Unity of Title. 共有者はその財産を同じ法律的文書、証書から同じ権利を得なければならない、つまり同じ権利を同じ捺印証書とか遺書とか得るのでなければならない。Unity of Interestとは 合有財産に対して合有者は同じ権利でなければならない。Unity of Possession とは合有者はその所有物に対して同じ全体を所有する。A, B, Cがその土地の合有者であるにはA もBもCも同様にその不動産の全体を所有している。これをUnity of Possessionといいます。重要な点は生き残った合有権者の権利が残存することです。
(3)Tenancies by the entirety 夫婦全部保有不動産権
これは夫婦間の特別な形のJoint tenancy (合有不動産権)です。
夫婦は一体であるという夫婦一体の原則に基づき、夫婦のみに認められる不動産の共同所有形態。夫婦一方の死亡によって他方がすべての権利を取得する。したがって、これは夫婦間のJoint tennacies とも言えます。
(4)Community property 夫婦共有財産制
夫婦が婚姻中に取得した財産は婚前などのseparate propertyを除き、すべて共有財産とされる制度です。separate propertyとみなされる財産は婚前取得の物とか、贈与、遺贈、相続などにより取得された財産を指します。カルフォルニア州はcommunity propertyであることに留意してください。夫婦間の共有不動産権であり、同一の土地に対して夫婦が、同時に共有をなしうるそれぞれ独立の権利を持っていることです。一人が死亡したとしても、夫婦のどちらかの死亡とは関係なく、各人の持ち分はそれぞれ別個に相続されます。死は権利を断続させません。
ここで注意する点は(1)と(4)のtenancies in commonとcommunity propertyでは死は持ち分の権利を消滅させません。各人の持ち分はそれぞれ別個に相続されます。(2)と(3)では生存者に権利は帰属します(survivorship). (1)から(4)に言えることはいずれの場合も、2人以上の人が分割されていない一つの権利を共有していることです。州によっては(3)を認めていない州もありますが、(2)に生存者権利、right of survivorshipを補足して、Joint tenancies with right of survivorshipとして認めています。
(1)と(4)では持ち分はそれぞれ別個に相続され、死は権利は消滅させませんから、死亡した場合、その権利は遺産に含まれます。例えばAは死亡時に$4,000,000共有不動産権の4分の1を所有していたとします。
Aの総遺産は$1,000,000を含みます。AとBは夫婦で、カルフォルニア州に住んでいます。夫婦はAの死亡時に$1,000,000の土地を共有していました。Aの総遺産には$500,000が含まれます。従って、死に伴って、セクションの2040、共同所有権の影響があるのは(2)と(3)の場合となります。
資産に対する権利とは大きく2分することが出来ます。ひとつは元本、つまり収入源となる基本財産であり、もう一つはそこからの収入であります。このため、資産の色々な分割の仕方が生じます。一例を挙げます:
Aは牧場を所有しています。Aは信託を設定し、牧場を信託財産とします。そしてAの息子であるBに生涯不動産権を、孫に残余権を設定します。このアレンジメントでは、Bは生涯不動産権を所有していますから、生きている間、彼は牧場を使うことが出来、そこからの収入を得ることが出来ます。彼の死をもって、信託は終結いたします。この時点で、基本財産である牧場は孫の所有物となります。
ギフト関係で要注意の例をあげます。Aが銀行口座に$100,000を入れます。口座名は娘のBの名義も含むとします。この時点では贈与は発生しません。Bが翌月、70,000どる、その口座から降ろしたとします。この時点で贈与が発生しました。Aが米国債の投資をし、名義をAとBにします。この時点では贈与は発生しません。Aは自分の意志で何時でも投資を解消することが出来るわけですから。それからしばらくして、Aは死亡しました。この時点でもBに対しての贈与は発生しません。これはtestamentary disposition(A
はBのために国債に投資をした)ということになります。しかし、Aの総遺産には死亡時のこの国債の市場価格が含まれます。
最後に、夫婦間の spousal joint tenancies とtenancies by the entiretyの税法は大変簡単になったと考えてよいと思います。それは配偶者控除、marital deduction,が金額的に上限なし、無限ですからです。
権利取得者指名権(Power of Appointment), セクション2041と2514
財産を所有している人はその財産を人に与える権利を持っています。この人に与える権利をその財産から外すときpower of appointmentと呼ばれるコンセプトが生まれます。
Power of Appointmentとは財産権を有する者が、現在または将来に関して誰がその財産権を帰属するのかを決める権利です。財産権を有する者がその財産を所有してはいないのです。その人の権利は誰がその財産を保有するのかを決める権利をもっているのです。セクションの2514は指名権を有している人の生存中における贈与に関する影響、権利であり、セクションの2041は死後の遺産税に関する事項です。
指名権を付与した人をDonor(指名権設定者)と呼び、付与された者をDonee(指名権者)そして指名され、その権利の帰属者をAppointee(被指名者)、対象となる財産をappointive property(指名対象財産)と呼びます。そして被指名者がその権利を実行に移さないとき、つまり、権利取得者指名権の不行使があるとき、その財産はthe default takersのものとなります。
Gは財産を信託に移行します、信託財産の成立です。そこで、Aに生涯の間、信託収益(信託受益権)をあたえ、A がその遺書でAの子孫に財産の残余権の帰属者の指名する権利を与える。その不行使が生じた場合にはdefault takersとして慈善事業団体Xとする。その後、A は死亡し、その遺書で、Aの長男を残余権の所有者として定める。
Power of Appointmentはどうして造るかといえば、生存中の信託や証書、または別個の権利取得者指名権証書で造ることが出来る。指名権設定者は遺書でも権利取得者指名権を造ることが出来る。Power of Appointには通常2種類ある。一つはgeneralと呼ばれる。指名権者の権利の行使に制約とか条件がない。したがって、指名権者自身が自分自身を新しい所有者として任命できる。色々な局面から見て、権利取得者指名権の指名権者は資産の実際の所有者のようです。権利自体(Power)は特定な権利、特別な権利、そして制限された権利の3様に別れます. 指名権設定者はある個人、またはグループを権利の、Powerの対象としますが、これには指名権者、指名権者の債権者、指名権者の遺産、指名権者の遺産の債権者は対象となりません。さらに、指名権設定者は指名権者の権利の施行に、あくまでも合法的な範囲ではありますが、条件を取り付けることが出来ます、例えば、被指名者の教育費とか健康関係などの範囲内での権利施行というような条件を指定します。
指名対象財産の指名権者はその対象財産にたいしての法的な権限またはエクイティ上の権限を有しません。その代り、指名権者は指名する権利を有しています。被指名者が指名権設定者から対象財産の権限を貰うのです、指名権者ではありません。ある被指名者が対象財産を望んだとしても、指名権者はその希望に沿う義務はありません。他人の財産の受託者とは異なり、指名権者は信任関係のある受認者、受託者ではありません、その財産を経営管理する必要もありませんし分配する必要もありません。受認者的資格ではないのです。権利取得者指名権は代理契約でもありませんし、指名権者は指名権設定者の代理人(エージェント)ではないのです。指名権設定者は指名権者が権利取得者指名権を行使するのに使わねばならない方法を指定することが出来ます。たとえば、指名権設定者の生存中に権利取得者指名権を行使するような条件を命令することが出来ます。その反面、遺言によって定めると指定することも出来ます。権利取得者指名権は信託などによく使われます。具体例を書きます、その方が解かりやすい面もあります。
例題:
Dは配偶者と死別した男子とします。Dは彼の財産の一部を贈与として信託に移行します。生涯権としてA とBとDの娘のCに設定し、そしてDの孫たちに残余権を設定します。信託証書の条項として、X信託銀行が受託者に任命され、Dの姉であるSが信託からの収入をどうA,B,Cに配分するか又は信託に未配分として残すかを決める権限を与えられる。このような形態をとることにより、Dはまず信託銀行を信託としての安全性を確保している。そして姉のSに権利取得者指名権を持ってもらうことにより、家族の収益受託者の色々な必要性を認識して配分する特典をもたせ、同時にSは単なる権限を有しているのみですから、その権限を行使しても、しなくても良いわけですから、Sが課税対象とはなりません。では、なぜD自身が権利取得者指名権をを持たず、姉のSにその権限を託すかといえば、彼が持てば、彼の死をもって、信託が彼の総遺産の中に加えられることが一つ、次にDは姉の方が長生きすると考えたことが一つ、最後に、A, B, Cへの配分の制御は彼の死後にもなされねばならないからです。では、なぜ Sを信託の受託者としなかといえば、一般的にいって、家族のメンバーは良い信託の受託者にならないというのが通例だからです。
生命保険 セクションの2042
生命保険のポリシーとはそのポリシーの所有者と保険会社間の契約です。所有者の支払い、プレミアムと引き換えに、保険会社は指定された人(被保険者)が死亡したとき、保険の受取人に決められた金額、額面額(face value)または(英語でProceedsと使われますが、日本語では適訳はありません)支払われます。多くの場合、所有者と被保険者は同一です。被保険者の死にくわえて、保険会社は支払い義務に条件を付帯することがあります。例えば、被保険者が保険を購入直後、自殺した場合、保険会社にしはらいぎむはないとするとか、被保険者が申込用紙に病名を偽って、記載していたとかなどです。その人の生命保険を得るにはそこにはその人に対する被保険利益(insurable interest)が存在しなければなりません。被保険利益(insurable interest)とはその人の自分自身の命並びにその人に対して、生きていてほしいという強い念願が存在すると解釈できると思います、無論、不慮の死は別としてですが。ですから、自分自身の命に対してであり、それは自分の家族に対してであり、両親であり、妻であり、息子たちであります。会社の場合もあります。会社が重要な社員の命に被保険利益を持ちます。被保険利益を有している人が生命保険のポリシーを得た場合、この人は自分が欲する誰にでもその所有権を移行することが出来る。この場合、新しい保有者は被保険者に対する被保険利益を有していなくてもよいとされている。
死亡に備えてどのような財産処分の方法をとるかを考えるのが遺産処分計画です。生命保険法はその一つです。若い人にとって、その人の一番価値のある財産であるかもしれない。ほとんどの州法は生命保険の支払金額を
保険契約者の債権者からの損害補償請求から保護します。生命保険は保険契約者やその家族にとって”インスタントな信託財産”とも言えます。保険からの支払いは死亡した保険契約者の給与の代わりとして、代わりの収入ともなる。その上、生命保険からのの支払いは無税です。保険金の受益者は税金を支払う必要はない。支払われた金額で死者の遺産税を支払うことも出来る。それがなければ、死者の遺産を売却して、遺産税をしはらわなければならない場合もありうる。
生命保険の種類
Term Life Insurance
これが一番基本的な生命保険です。保険契約者がある決められた、特定の期間中に死亡すれば、受益者に保険金が支払われる。保険契約者がその期間以上に生存すれば、保険の支払わない。Term Life Insurance が最も経済的な保険といえるかもしれない、特に若く、元気なわかものたちにとって、この保険のプレミアムは限られた期間内の保険の原価をカバーしているからです。ただし、難点は年をとるとともに、プレミアムが上がるし、支払われたプレミアムは積立金とはならないし、保険契約者の健康が損なわれた場合、保険の再契約は危ぶまれる。
Whole Life Insurance
特定の期間に限定されず、保険契約者の全人生にわたって生命保険保護をする保険です。プレミアムの値段は生命保険のポリシーが始まった時点から契約者の死に至る時点まで変わりません。 またはadvanced ageと呼ばれる、例えば90歳とか100歳に達せれば、保険はプレミアム支払いなしで、有効です。ただし、契約者の年齢が若い時点では、プレミアムはTerm Lifeのそれと比べて、はるかに高価です。このプレミアムの超過分が、高い分が保険のポリシーのCash value,現金価値またはcash surrender valueと呼ばれる積立金として蓄積されるのです。この積立金を担保に保険会社から一般よりは有利な金利でお金を借りることも出来ます。しかし考えてみれば、自分が積み立てた、自分のお金を借りて、それに金利を支払うわけですから、ある意味では矛盾を感じさせます。積み立てた蓄積金は色々な理由価値がありますが、ここではその説明を省きます。また一般論では、Whole Life Insuranceは保険契約者が加入初期の段階で高めのプレミアムを支払い、その現金価値に対して相応の戻り値がないことから、賢い保険投資とは言われていません。
Universal Life Insurance
Whole Life Insuranceと相似していますが、違うのは現金価値に対して相応の、市場価格のレートが支払われます。積み立てられた現金価値が市場より低いレートが適用されるのではなく、保険契約者が一般の投資活動で得られるような市場価格の収益率が支払われます。保険のポリシーの書かれ方にもよりますが、一般的に、保険の契約者は保険のプレミアムの変更や、支払回数の変更や積立金の投資の方法や額面の変更なども任意でできます。自由があるといえます。
Endowment Life Insurance
この保険はWhole lifeとUniversal lifeと共通点を多く持っているのですが、プレミアムの支払いが若い時点で必要なくなるのです、通常は62歳とか65歳です。その時点で現金価値が額面額と同じになります。保険の所有者がその年まで生存したとすると、保険の額面額がその人に支払われます。保険会社としても額面額を支払う可能性が高いわけですから、従って、保険のプレミアムも高価です。
Split Dollar Life Insurance
大きな特徴は誰がプレミアムの支払いをするのかという点です。保険者と保険者の雇用先である会社がプレミアムの支払いをします。保険者が亡くなったとき、保険会社は支払いの一部を会社にします。通常、この金額は会社が保険者のために支払ったプレミアム額です。それを差し引いた、残額は保険者に支払われます。税法上、有利な点がある保険です。
それではカリフォルニアなどのCommunity Property州に該当する生命保険の例を書きます:
Aは婚前、額面$100,000の自身の生命保険を購入しました。この保険のプレミアムの支払いは下記のごとくです:Aの婚前からの資産から:$5,000、Wと結婚後の夫婦の資産から$20,000でした。
この時点でAは死亡し、保険会社は保険の指定対象者である受益者である息子のSに$100,000を支払いました。全員、カルフォルニアに住んでいます。保険のポリシーは20%が特有財産(separate property)であり、80%が共同財産(community property)です。プレミアム額の20%、$5,000/$25,000は特有財産から支払われ、80%、$20,000/$25,000は共同財産から支払われました。従って、Aの総遺産は$100,000の20%(特有)と$100,000の80%の半分(50%)、計$60,000を含みます。Wが$40,000の贈与をAにしたのだと判断されます。
生命保険を贈与の角度から考えてみます。
1.Aが自分の生命保険を購入しました。Sをその保険の受益者とします。これは贈与ではありません。
2.では、Aが死亡しました。上記のポリシーからの支払いはSに支払われました。贈与ではありません。これは遺贈です。
3.それでは、Aが生前にSに保険のポリシーを与えたとします。ここでは贈与が発生しました。AはSに与えた保険のポリシーのプレミアムを払い続けます。贈与が発生しました。
4.AはBを保険の受益者と特定したSの生命保険のポリシーを所有しています。Sの死をもって、保険金の支払いはBにされました。AはBに贈与をしたことになります。
課税遺産額
全体像
課税遺産額の基礎的な計算は下記の順序で進めます。
(1)総遺産の中身を確定します。注意すべきは死者の子孫や遺書上での受益者にわたる資産のほかの資産、法廷の方式に従って遺言能力のある遺言者によって作成された遺言と証明され、裁判所のよって確定された〈probate court)財産以外にも総遺産に含まれるものもあることに留意すること。
(2)総遺産の一つ一つの価値を確定する。
(3)経費を確定する。経費とは以下のものを含みます。
the marital deduction, the charitable deduction, administration時のexpenses, debts, taxes, losses
などです。
(4)Tax Baseの確定
上記の(2)から(3)を差し引いた残額をtaxable estate(課税対象遺産額)と呼びます。このtaxable estateに死者が1976年12月31日移行に死者が行った課税対象の贈与金額を加えます。この額をEstate Tax Base と呼びます。
(5)上記のestate tax baseに対して税金を計算しますが、これは暫定的税額です。この暫定額から、税額控除、終身移行額(lifetime transfer)に対する贈与税額、州の相続税控除、2重払いになっている砂金支払われた遺産税額などが差し引かれます。
総遺産の内容
まず、総遺産には何が含まれるのか?その人が死んだ時に死者が所有している権利のすべて、すべてのProperty ,それが不動産または人的財産、有形または無形財産であっても含まれるのです。また、検認法廷で確認された遺産probate assesは一般的に含まれます。寡婦産権とかんふ権 (Dower and CurtesyInterest)は含まれます。死亡時所得(income in respect of a decedent, I.R.D.)は全相続財産の中に加えられますが、この財産の分与を受けた人に課税されます。Joint Tenancies 合有不動産権 with rights of survivorshipは検認法廷外の存在ですが、全部または部分的に全相続財産に含まれます。Non-spousal joint tenantは全額を全相続財産の中に入れて、そこから、生存者が所有する部分(金額を支払った分)を差し引く。例えば親が不動産を全額支払い購入し、子と不動産を共同所有しているとすると、親の全相続財産に総額含まれる。一部、子が支払ったとすれば、その所有パーセンテージ、差し引く。配偶者のみがjoint tenants with right of survivorshipまたはtenants by the entiretyの場合は特別なルールがあり、配偶者の支払い額に関係なく、50・50のしょゆうとなるので、死者の総遺産の中には50%しか含まれない。年金とかペンション・プラン、個人の退職金、死に伴って支払われる金額は死者の権利のものであれば総遺産、全相続額の中にふくまれます。例えばstraight life annuityのように保険者が生きている時のみに支払われるような年金は全相続額中には含まれません。年金とか保険金の場合は色々な条件で、判断が違ってきます。ポイントは死者の所有権利に焦点をあわせて、専門家とご相談ください。預金残高を誰に死後、支払うのかの指名権利を故人が持っていたのであれば、全相続額に加算されます。個人が決める権利を所有していたのですから。ですから、よく話題になる、故人が死ぬ3年間の間のギフトでも、例えば故人が死ぬ2週間前に子供にその不動産を全額あげたとします。この不動産は総遺産の中には、故人は死亡時に所有していなかったのですから、相続総遺産の中には含まれません。。それでも、これが1982年以前の場合ですと、含まれます。それでは、生命保険の場合を考えます。故人は生前、額面30万ドル生命保険をかけていました。2010年1月7日に自分の息子にこの保険を贈与したとします。2012年4月7日に他界したとします。故人の総遺産の中にこの贈与した保険は含まれるのでしょうか? これが質問です。生前における生命保険からの支払いは全て故人の総遺産に含まれます。そして生命保険に関しては、死時においては既に息子に与えたのですから、そこには付帯権利は存在しないのですが、これは死ぬ3年間以内に移行されたということで、故人の総遺産に含まれます。年間控除額の14000ドルの対象外でもあります。長くなるので、簡単に説明をしますが、Q-Tip Property(限定的な期限・条件付き財産権)関係では夫婦は配偶者に対して制限なしの、非課税の、資産の移行が認められています。税金がかからないのです。配偶者控除です。Marital deductionです。法令のセクション2056によれば、配偶者控除の恩恵を受けるには、その遺産が死別した配偶者の総遺産の中に含まれており、そしてそれは生存配偶者に移行するか又はすでに移行しているという条件が付きます。例を挙げます。
例:夫が死別して時点で、額面100,000ドルの自分の生命保険を持っており、妻を保険金の受益者として特定していた。夫婦は時価250,000ドルの不動産を夫婦全部保有不動産権(tenants by the entirety)として保有していた。(この不動産の購入は全額、夫の資金で支払っていた。)この移行に関する配偶者控除額を計算します。$100,000 + 250,000 x 50% = $225,000が夫の総遺産の中に加えられます。そしてこの金額が配偶者控除額として生存配偶者に移行する資産を示します。これが配偶者控除です。
ところが、この非課税の、無限の、資産の移行であるには遺贈の場合には税法規のセクション2056、贈与の場合にはセクション2523の条項を満たしていなければなりません。ここで、すべてを説明できませんので、条件の一つを説明します。生存配偶者は期限・条件付き財産権を非課税で受け取ることは出来ません。これはどうゆうことかというと、その財産権に付帯している条件や期限のために、生存配偶者がその財産権を失ってしまうような条件や期限が付帯している場合です。例としては、生涯不動産権とか生涯権とか再婚したら無効などが代表的な例です。期限・条件付き財産権は通常配偶者控除の対象になりません。なぜならば、そのような財産権は生存配偶者の遺産の中に含まれませんから、財産権が2度目の課税対象から逃げてしますからです。(一度目は配偶者控除として非課税。)ところが重要な例外があります、それがQ-Tip Propertyと呼ばれるqualified terminable interest propertyと呼ばれる資産です。ここでは、まず、死者、遺贈者、亡くなられた配偶者が生存配偶者のために生涯利得が貰えるような信託を、trust,を設定します。信託受益権です。そうしておいて、同時に、その他の残余の遺産は遺贈者が望む者に配分出来る条件をつけ、遺贈者(亡くなった配偶者)の信託がこの資産に対する配偶者控除を得られるべく許可するようにする。つまり、生存配偶者の場所に信託を置き換えるのです。このようにすることにより、課税を逃れるのを防止しているわけです。生存配偶者は遺産に対して受益者を権利や遺産に対する権利を持ち合わせないにも関わらず、生存配偶者の死時に残っている残余のQ-Tip Propertyは生存配偶者の遺産の中に含まれることになります。
例を挙げましょう:Aさんは再婚者です。Aさんの遺書には当時の価格で300,000ドルの資産を信託に移行し、その資産からの収入は現在の奥さんのBさんが生きている間は生存配偶者のBさんに、そしてBさんの死後は、信託の財産額は前の奥さんとの間に生まれた子供たちに配分されると示されています。Aさんの遺産(Estate)は限定的な期限・条件付き財産権(Q-tip property)として300,000ドルを配偶者控除として税法上で選択します。Bさんが亡くなりました。死亡時の信託に移行されていた300,000ドルの財産の市場価格は1,000,000ドルでした。Bさんの総遺産はこの1,000,000ドルの信託財産を含みます。従って、Bさんの遺産はこの値上がりした金額に対して課税されます。この理由はBさんはあえて値上がりした分の税金を払うことにより、この増加した課税額を相続する子供たちに課せられないようにしたわけです。(例えば生存配偶者が再婚してしまい、残した資産が他人に移行してしまうなどの配慮から、利用されるのがQ-Tipです。)次に、家族で会社を経営している場合を考えます。会社の資産の一部を故人の総遺産から除外出来る可能性があります。税法のセクション2033Aです。除外の条件を満たすのは大変複雑です。故人の家族のメンバーであり、且つ、故人の死別する前の7年間の内、少なくとも5年間は家族の事業経営の主だったメンバーであったことが要求されます。この除外に該当するにはこの家族の経営事業の純資産価値が故人の調整総遺産額の50%以上でなければならない。調整総遺産額とは総遺産から必要経費を差し引いた金額を指します。
遺産の評価
その人が亡くなった日が評価額の基準の日となります。20年前、祖父が100ドルで買った農地が、近隣にコンピューター会社や工場が出来、祖父が亡くなった今日、その値段は百万ドルです。通常、百万ドルが遺産価格となります。しかし、その土地を相続した孫たちはそれを現状の農地として、農業に営みたいとしています。この場合、法令のセクション2032A、Special Use Valuationと呼ばれる条項があり、その土地が農地としては50万ドルの価値であるならば、50万ドルの遺産額として評価されます。もっとも、このような限定された土地の評価額の最高値は、2015年では、$1,100,000です。(インフレ率調整で毎年変わります)。
亡くなられた人は色々なものを後に残します。本であったり、ネクタイピンであったり、宝石であったり、さて、これに対して市場価格を見つけなければならないわけですが、通常、一つのものに対しての市場価格、つまり、現在値が$3,000以上の物が税の対象となります。この場合、物とは有形、無形資産の両方です。物の価格評価は市場価格であるといっても、例えば、その資産にある付帯条件がついており、通常であるならば、市場価格で売買できるものであっても、その付帯条件のために市場価格を呼び込めない場合には、a fractional interest discountと通称される値引きが許されます。たとえば、市場価格で500,000ドルの土地の半分を共有していたとします。250,000ドルの価値です。ところが、その土地は正確に、自由に等分することが困難な地形であったとすれば、全体で500,000ドルであっても、その半分は250,000ドルの価値があるとは言えません。所謂、販売可能な値引きが許されます。株にしても、すぐ売るとなると市場価格に対して値引きを要求されます。A Brokerage discount です。市場価格からの値引きが許されます。
遺産の評価日
先にも書きましたように、通常の場合、その人が亡くなった日が評価額の基準の日となります。例外があります。故人の代表者が交替の評価日を選択することが出来ます。alternate valuation dateと呼ばれ、死亡した日から6ヵ月目の日です。この選択には以下の条件が付いてます。この日を選ぶには6ヵ月後を選ぶことにより、(1)総遺産の評価額が減少すること、(2)遺産税が減少することの2点を満足させなければなりません。また、どちらかの日にちを選ぶのであって、遺産の評価に両方の日にちを混ぜることは出来ません。
必要経費
(1)配偶者控除
夫婦の一方から他方への財産の移転は控除されますから、原則として、遺産税上、非課税です。(税法セクション2056)。この移転には制限がありませんから、unlimited marital deductionと呼ばれます。
(2)慈善事業などの公益を目的とする事業への寄付経費
この移転には制限がありません。無制限です。
(3)その他の必要経費、税金、借金など
葬儀代、遺産管理手続費、借金、税金は総遺産から控除金額です。例としては、遺産に関する弁護士代、代表者の給与、会計士などの評価や会計費、税金の分野では固定資産税、未払いの贈与税、生前の所得税などです。控除できないのは連邦・州の遺産税です。遺産の管理・処理中に地震で故人の家屋が崩壊しました。全額、控除できます。
遺産税の計算
遺産税の計算は課税遺産額の限界を定めることから始まります。課税遺産額とは総遺産の価値から遺産税額控除額で減少させた額です。Taxable estate = gross estate - the estate tax deductions.これが課税遺産額の方程式です。次に、この課税遺産額に1977年1月1日以降に個人が贈与した課税贈与額を贈与したときの全額で加算します。この金額が課税ベース、課税標準額です。tax base = taxable estate + taxable gifts after 1/1/1977. これが課税標準の方程式です。注意すべきは、加算される課税贈与額は年額控除の贈与とか医療・教育費控除額、配偶者控除や慈善事業団体への寄付金額は含まれません。この課税ベースに法令のセクション2001(c)に明記されている税率を掛けた額が仮設税となる。あくまでも、この段階では仮設税額です。
以上、米国公認会計士 上田 稔
連絡先はcpaminoruueda@gmail.com or
minoueda@hotmail.comにどうぞ。
2010年から2012年はTax relief, unemployment insurance reauthorization, and job creation act (TRUIRJCA)が2010年12月17日に法律となり、この法律の有効期限は2年間だったため、2013年1月2日に、現行の法律、American taxpayer relief act (ATRA)が律法化されました。この法律により、Tax relief, unemployment insurance reauthorization, and job creation act (TRUIRJCA)にある連邦遺産税Federal estate taxes, 贈与税(Gift taxes) 並びに世代飛越移転税(generation-skipping transfer taxes)をpermanentとしました。以下、ATRAに基づいて、説明します。
まず贈与と遺産税の全体の形から説明します。
贈与税
米国合衆国は直接または間接的とにはかかわらず、または信託を設定する方法またはその他の方法とにかかわらず、米国市民並びに居住者による贈与、(Gift),による財産権の移転に対して贈与税を課税します。非居住者の場合は譲渡時にその財産権が米国内に位置している物的財産(real property)または人的財産(personal property)に対して贈与税の対象となります。
以下、この文章をお読みになる場合、常に、自分は居住者か非居住者か、そして自分が対象としている財産は物的財産、real property,俗にいう不動産 なのか人的財産なのかを頭に入れながら、お読みください。)
贈与税は譲渡する側に課税されます。譲渡された資産の市場価格、つまり、現在の値段に対して課税されます。その課税に対して控除があります。控除の対象は配偶者に対してのある種の贈与と慈善事業に対してです。年間の贈与で、贈与者一人当たりに対して、一人の受贈者に対し、上限$14000(2015年)まで無税です。たとえば、Aさんは既婚者で奥さんのBさん、各々に2015年では$14,000の枠があると考えれば、子供のCさんに各々$14,000づつあげられますから、計$28,000まで無税となります。(配偶者が外国人の場合、この金額は$145,000となることに留意してください)したがって、この控除は$14,000までper donor, per doneeと理解してください。この金額を超過した段階で、フォーム709申告用紙での申告が必要となります。しかしながら、下記したように、$5,430,000にも上るlifetime gift tax exemptionがありますので、税金を支払う人は少ないです。これをAnnual Gift Tax Exclusion と呼びますが、もう一つ、Lifetime Gift Tax Exemptionがあります。この二つを分けて考えてください。2015年におけるLifetime Gift tax Exemptionは$5,430,000であり、最高贈与税は40%です。
遺産税
遺産税は、米国市民または米国永住者の人が死亡したときに課税対象遺産に対して課税されます。並びに死亡時に米国に所在する、非居住者に所属するある種の遺産に対しても課税されます。遺産税は財産を遺して死亡した人、被相続人、の遺産に課税されます。遺産の評価額は死亡時の市場価格です。その他、死亡時の、被相続人の(死んだ人の)所有していた資産に対する権利のほかに、連邦遺産税は下記の資産にも課税されます:1.生命保険、但し、その保険が死んだ人の財産権として支払われるか又は被相続人が死亡時に所有権を保持していた生命保険に限ります。2.死亡した人が死亡時にその財産の一般権利取得者指名権を所有している財産。権利取得者指名権とは財産権を持っている者が或る者に与えた、その財産についての権利の帰属者を指名する権限。この場合、死亡者がその財産に対して権利の帰属者、誰がもらうかを、指名する権限を持ている財産。3.死亡者が持っている年金、または死亡者の雇用者が死亡以前に死亡した人のために買っておいた年金。4.合有財産権(joint tennacy)が付帯している財産。5.亡くなった人が生涯権を保有している財産で、それを生前中に譲渡、移転した財産 または 亡くなった人が誰がその財産を所有すべきか享受すべきかを明示する権利を持っていた遺産 6.生前に亡くなった人により移転や譲渡の撤回があったとされる財産、7、死によって効力を発するある種の移転、譲渡なども課税の対象に含まれます。
課税遺産の算出の仕方:
Worldwide gross estate (世界中の遺産)
less: certain allowable deduction such as a marital deduction for certain bequests to the surviving spouse of the deceased (マイナス:配偶者控除)
less :a deduction for certain bequests to charities.(マイナス:慈善寄付)
equals =(イコール)
Taxable Estate (課税遺産)
要約すれば:
世界中にある総遺産(マイナス:配偶者控除)、(マイナス:慈善寄付)=(イコール)(課税遺産)
贈与税と遺贈税は各々独立した税として存在していたのですが、1976年に部分的に両税は一体化しました。その結果、一つの累進税率が課税贈与と課税遺贈に適用されるようになりました。しかし、2001年の税改正で、遺産税と贈与税は結合していたある部分を分離されたのですが、税率に関しては従来どうりの一つの累進税率が個人の課税贈与と課税遺贈に適用されます。
この累進課税率では、2014年では、一体化した遺産税と贈与税は累積課税に該当する資産の移転譲渡は(ということは、免除額を超過した額は)、まず最初の$10,000に対して税率18%から始まります。そして$2,000,000以上の移転譲渡に対しては45%の税率に達します。
2014年の統合税控除は$2,081,800であり、これは免除額の$5、340,000にあたります。2015年では$5,430,000です。配偶者の使われなかった免除額は生存配偶者に移行されます。従って、全額が移行された場合、生存配偶者の免除額は$10,680,000となり、これは税金して$4,163,600が税控除に該当します。そして、2014年以降もインフレ率を加算されますから、この金額はインフレ率だけ大きくなります。こうなりますと、従来の遺贈と売却によるキャピタルゲインの考え方にも変化が出てきます。この件に関しては、一番最後の章で述べたいと思います。最後の章を参考にしてください。
Generation-skipping transfer
世代飛越移転と呼ばれます。親の遺産は子に、子から孫に、そのたびに遺産税と贈与税が課税される。これは避けたい。そこで考えられたのが親が信託を設定し、そこに親の財産を移行する。そして、子は自分の生存中はその信託が稼ぎ出す収益を享受する。子の代では遺産の移転はない。子が死亡した時点で、信託財産は孫に移転する。世代飛越の術です。ところが1976年の税の改正で、飛び越しても、各世代間の移転があたかもあったと同じように課税することになりました。Genaration-skipping transfer tax , 移転飛越移転税と呼ばれ、2014年の税率は移転額が$5,340,000を超過する額に対して定率の40%を課税します。
以上が概略です;言葉での説明にはどうしても限界があります、そこで、簡単な例題を創ります:例題
A子さんは今まで一度もギフトをしたことがありませんでした。2010年に課税の対象となる$345,000のギフトをしました、(この金額は年間の無税譲渡後の金額です)。A子さんは2014年に亡くなりました。遺産総額(gross estate)は$1,055,000でした。彼女には$100,000の借金があり、葬儀費と管理費、合わせて$50,000かかり、ご主人に彼女の所持金を総額で$550,000残しました。
解答:
遺産総額(Gross estate) $1,055,000
葬儀費用と管理費 50,000
借金 100,000
人的財産遺贈 550,000
計 700,000
課税遺産 355,000
生前のギフト総額 345,000
課税遺産とギフトの計 700,000
700,000 - 500,000=200,000 x 37% + 155,800 = 229,800
仮設税額 229,800
2014年の統合税控除は$2,081,800ですから、免除額は2,081,800 - 229,800 =1,852,000となり、この金額が生存配偶者に移行されます。
例題を乗せました大きな理由は課税対象が所得ではなく、移行される財産の価値、それも現時点における市場価格である、つまりIncomeに対してではなくValueに課税されます。そして財産を移行する権利に対する課税、つまり消費税の一種であることです。贈与税の場合は生前中の移行する権利に対する課税であり、遺産税の場合は自然人の死に伴う移行する権利に対しての課税であります。
税と聞くと、我々は所得税を考えます。重要な点は所得税と異なり、贈与税と相続税は財産の移行に伴うExcise Tax(消費税)です, Excise Tax(消費税)は物やサービスを移行することに課せられる取引税です。通常、その取引の量に課税されます。例えば、手じかな例として、ガソリンを例に挙げれば、売買されたガロンに対して定率で課税されます。贈与税も相続税もExcise Tax(消費税)でありますが、その課税ベースは量ではなく、Value,価値であります。市場価格です、同時に定率ではなく、累進税率であります。例題を挙げます。
例題
8月1日に、AさんはBさんからある土地を買う契約をしました。その土地の売値は$250,000で、Aさんは売値の一割に当たる$25,000を頭金として支払い、残金の$225,000を契約の締切日の10月15日に支払うことになりました。それから2週間ほどしたほど、この買った土地の近くに超高速道路の建設計画の発表が州政府から発表され、それから2週間後、大手のデパートが建設計画をこの土地の近くに、そしてホテルと、ゴルフ場の建設など、この土地の周辺は一挙に土地売買ブームが展開されました。その結果、土地の値段は急騰し、10月1日の時点でAさんの土地は$2,000,000の評価がされました。あまりの喧騒さと土地の値段の急騰に耐えられなくなったのか、10月2日、急性心臓麻痺でAさんは他界してしまいました。
質問:このような場合、Aさんの遺産総額の報告方法はどうなるのでしょうか?
フォーム706で報告することには変わりはありません。その706報告書の中のスケジュールAは不動産関係ですから、そこに売り手Bとの8月1日の土地の購買契約による権利:市場価格$2,000,000:買値:$250,000:頭金:$25,000:未払い残金:$225,000(スケジュールK参照)と表記し、死時の価格を$2,000,000と記載します。
次に借金やモーゲッジなどの借財関係を記載するのはschedule Kです。
記載欄に貸主名:B. 8月1日の土地購入契約の購入残高:$225,000. 以上のように、買値、つまり、costではなく、市場価格、現在の市場での価格で報告されます。
Value
土地の価格はステップアップされ、この値が相続税の対象価格となります。無論、相続する人もこのステップ・アップされた価格で相続します。仮に、Aさんの遺産がこの土地だけだったとすると移転額は$5,340,000以下でありますから、2014年の時点では税金はゼロです。相続する人はこのValue を継承するわけですから、$2,000,000の土地を所有することになります。
日本と米国の相続税の相違の注意点
税を課する側、各国々にはそれぞれ国民に税金を課する理由が違うようです。日本の場合、相続人が財産を取得することに注意が置かれ、従て、相続人がその取得財産に対して税を払う、遺産取得課税の形をとります。要するに、貰ったではないか、それだけ財産、増えたではないか、それに対して課税する。米国の場合、この形をとりますと、この財産は被相続人が生前に税金支払い後のお金で取得した財産で、したがって、税金を一度、支払ったいるのである。もう一度、支払うことは2重課税となるという意見が浮上してきました。従て、米国政府の意見は所得に対して課税しているのではない、被相続人が財産を移行するという権利に対しての課税であり、excise tax, 消費税の一種である、したがって、遺産課税であり、遺贈する側が支払う。1921年のNew York Trust Co. v. Eisner, 256 U.S. 345に始まり、大いにその合憲性は議論されてきました。移行、Transfer、でありますから、Transfer Taxであり、移行するのでありますから、被相続人、亡くなった人が、その財産にたいして移行する権利があったのかどうか?今度は遺品に関する所有に関しての注意点が浮上してきます。
総遺産の移行
総遺産とはどこまでを指すのか、つまり 死亡したの人の所有していた財産とはどこまでを含むのかということを定義しているのが法令の2033ですが、極めて、短く、簡単な表現ですので、英語で表示します:”The value of the gross estate shall include the value of all property to the extent of the interest therein of the decedent at the time of his death"。以上です。
内国歳入庁法令の2033から2046に従い、死亡時に被相続人が所有していた財産はすべて総遺産、Gross Estate,に含まれます。さらに、法令の2035から2038にわたり、生前に移行したとしている財産のうち(死亡時に所有していない)、中には死亡時の総遺産に含まれる財産もあるとする細かい指示があります。例えば、年金、権利取得者指名権、合有不動産権、生命保険などの権利とか権力であります。売買取引とは関係ない、無償の移行は遺産税の監査の対象となります。法令の2043が細かく、約因の性格、約因の妥当性を定義し、無償として遺産税を逃れるの防ぐためです。配偶者控除、夫婦間の財産の移転は原則として非課税です。被相続者の放棄された財産とか権利も遺産税の範囲の外にあります。
ギフトとは?
単純に贈与、要するに無料で人にものをあげたことと考えがちですが、では、受け取る側や与えたとする方に知能的な面に障害があった場合は法的に贈与が成立するのかどうかなどの問題があります。以下、贈与の必要条件を箇条書きします:
1.贈与する側に知能障害がない、存在しない。認知症の問題ですね。
2.受贈者がその財産を、財産権を受領し且つ所有しうる人であること。(例えば、年齢的な問題を暗示してます)。
3.贈与者に贈与の意図が存在すること。(要するに、見せかけではないこと)。
4.その財産や財産権が実際に且つ又擬制上で(法の上で)受贈者にまたはその正規な代理人に配達されたこと。(誰も知らずに、配達されていたことではない。)
5.受贈者による贈与の受領があったこと。(ここでも、受領とは単に受け取ったという行為だけではなく、それを保有する意志の表示する行為であること。)
このように法律家のガイダンスが必要となります。例えば簡単な例を挙げれば、AさんはBさんの玄関に宝石の入った小さな箱を置いときました。Bさんはその小さな箱を見つけ、家族の誰かが置き忘れたと考え、引き出しに入れました。ここには受領も配達の姿もありません。受領とは単なる受取とは区別されるからです。
通常、贈与があったかどうかを判定するのに、連邦の贈与税下と州税下の贈与税はほぼ同じですが全く同じではありません、例外があります。
結婚前の取決めによる資産の移行は州法では贈与とはみなされませんが、連邦法では贈与とみなされます。贈与であるか、贈与でないかの決め手はその資産の移行が”full and adequate consideration" であるかどうかのです。充分な、正当な金額が支払われているのであればそれは当然、贈与ではありません。それが金額であれば明白ですが、そうではない、色々なとりきめが存在するので、むずかしくなるのです。例えば、連邦法下では”結婚する”という約束は約因とはみなされません。これが州法との違いです。これまた、実体でみるか、方式でみるかにより解釈が違ってきます。
不完全な移行は贈与ではありません。ところが、その後、不完全さが完全になれば贈与とみなされます。
第三者との商売上の取引では明白な移行が、家族間では不透明な移行になりがちです。良くあげられるケースが、AとBが他人であり、商売上の理由で、AがBにお金を貸したとしましょう。のちに、BがAに借金を払い戻すことが出来なくなり、Aはその借金を無効とした。これは贈与ではないとされます。しかし、もしAとBが親子であり、商売関係は存在しなかったとなると、これは贈与とみなされる。他人同士のAがBに50,00ドルで土地を売却したとしよう。Bがその土地を掘ってみたところ、貴重な鉱山資源脈が地下にあることが判明し、土地の値段は100,00ドルになった。これは贈与とはみなされないが、A to Bが父と子であったとし、父親は地下の鉱山資源の可能性を知っていたとすると、贈与とみなされる。それでは親子間の金銭の取引がすべて贈与となるかといえば、そうではない。例えば、学校の授業料などはその例外である。
生存中の譲渡と死をもってする譲渡 (Lifetime versus Death Transfer)
例えば、DがDの死をもって、Dの所有している米国債はBの名義となると遺書に書かれているとしても、現時点ではBが貰ったのは期待であり、所有権はDの死をもってなる。Dはこの人の生存中にその意図を変えるかもしれないし、売却してしまうかもしれない。したがって、ここには贈与は存在しない。生命保険の場合も同じです。DがB を受託者として生保保険を購入する。この場合もこれはDの死亡によって発効する財産処分です。遺言をなすという自由意思です。Dの死をもって支払われた金額は遺贈となり、生存中の贈与とはならないのですが、この金額はDの総遺産の中に編入される。ところが、Dがこの生命保険を生存中にBにあげてしまったとすると、これは贈与となります。
贈与になりうる要注意点:
1.共同所有権
2.生命保険の移転
3.権利取得者の一般的指名権
1と2は解かりやすいですが、3はわかりにくいので説明いたします。(財産権を持っている人がその財産を或る者に付与します、その付与した財産に関しての権利の帰属者を指名する権利)、ややこしいですが、信託などを設定したときに、信託された財産の処分の際に、信託設定者が留保している権利です。そうした指名権を持ち、それを付与した者を英語ではDonorと呼び、付与された者をDonee, 指名の対象となっている財産をAppointive property, そして最終的に指名され、その権利の帰属者となる者をappointeeと呼びます。doneeがappointeeと同人であることもあります。計画的に遺産の処分を考える場合に重要です。
贈与の年間控除額
2014年と2015年では一人あたり、$14,000です。一人娘の家族の場合、お父さんとお母さんの両人で$24,000まで娘に贈与税なしで、贈与が出来ます。毎年、インフレ率が加算されますので、要注意です。また、前にもふれました子供たちの授業料はこれとは別です。また、将来権は年間控除が該当しません。将来権とは将来の時点とかある条件が満たされたとか、将来のおいての何かの成就にともなって、初めて取得できる権利です、この権利は現時点でも譲渡できる権利でもあり、単なる期待権ではないのですが、それでも将来権は控除外です。
贈与税の計算方法例題
太郎さんが娘の花子さんに下記の贈与をしたとします。
2004年贈与額 $ 800,000
2007年の贈与額 300,000
2009年の贈与額 200,000
計 1,300,000
2002年から2010年までは非課税額は$1,000,000であり、これは免除税額にすると$345,800に該当します(この金額をmax. unified creditと呼びます)。2004年以前には贈与はなかったのでゼロです
本年贈与額 800,000
過去の贈与額 0
今年度を含む贈与累計額 800,000
前年の贈与税 0
今年度を含む贈与累計額に対する贈与税 267,800
本年贈与額に対する贈与税 267,800
非課税額 1,000,000
本年度に該当する非課税額 1,000,000
非課税額に相当する税額 345,800
前年度への割り振り額 0
今年度への割り振り可能総額 345,800
今年度への割り当て額 267,800
2007年
本年贈与額 300,000
過去の贈与額 800,000
今年度を含む贈与累計額 1,100,000
前年の贈与税 267,800
今年度を含む贈与累計額に対する贈与税 385,800
本年贈与額に対する贈与税 118,000
非課税額 1,000,000
本年度に該当する非課税額 1,000,000
非課税額に相当する税額 345,800
前年度への割り振り額 267,800
今年度への割り振り可能総額 78,000
今年度への割り当て額 78,000
2009年度
本年贈与額 200,000
過去の贈与額 1,100,000
今年度を含む贈与累計額 1,300,000
前年の贈与税 385,800
今年度を含む贈与累計額に対する贈与税 465,800
本年贈与額に対する贈与税 80,000
非課税額 1,000,000
本年度に該当する非課税額 1,000,000
非課税額に相当する税額 345,800
前年度への割り振り額 345,800
今年度への割り振り可能総額 0
今年度への割り当て額 0
以上ですが、上記の各贈与税の計算法は税務当局の表によります。2009年の贈与税$465,800の計算例を下記します。今年度を含む贈与累計額は1,300,000ドルでした。2009年の税控除金額の最高額は$1,000,000です。非課税に相当する税金は$345,800です。$1,000,000、この金額を超えた分、300,000に対しては40%の税がかかります。300,000x.40=120,000です。120、000+345,800=465,800となります。
贈与税申告に関する諸注意事項
1.税務フォームの709で申告をします。(1)その年の控除額、2013年から2015年は年額、一人当たり$14,000です。ですから、この金額以下の場合は、申告の必要性はありません。
(2)夫婦間の資産の移行はいかなる金額でも、unlimited amount, 申告の必要はありません、非課税です。
1. (3)アメリカは合衆国であります、したがって、州により法律が違います、9のcommunity property statesと呼ばれる州があります: Arizona, California, Idaho, Louisiana, Nevada, New Mexico, Texas, Washington and Wisconsin. Alaska は an opt-in community property state と呼ばれ、その州の住民のせんたくにまかされます。 これ以外の州はcommunity property 州では無いため 夫婦間の資産の移行に相違があり、不公平が生じたため、法令のセクション2513のgift-splitting electionという条項を加え、不公平さを変えたのですが、その不公平さを下に説明します;
2. 太郎さんと花子さんは夫婦です。ミシガン州に住んでいます。夫婦間で贈与がありました。
贈与額 10,220,000
年額控除 (14,000)
課税対象額 10,206,000
10,206,000 - 1,000,000=9,206,000 x 40% =3,682,400 + 345,800=4,028,200。となり、これに対して税額控除の$2,081,800を引きますから、最終的に税金は$1,946,400となります。
さて、彼らがカルフォルニア州に住んでいるとすると、以下のごとくなります;
太郎 花子
贈与額 5,110,000 5,110,000
年額控除 (14,000) (14,000)
課税対象額 5,096,000 5,096,000
$5,096,000-1,000,000=4,096,000 x 40%=1,638,400 +345,800=1,984,200となりこれに対して是岳控除$2,081,800を引きますから、税金は両人ともゼロとなります。これでは不公平でありますから、セクション2513をもうけ、いわゆる Split Giftを夫婦間の贈与では認めることにしたのです。しかし、Sprit Giftの場合は申告を必要とします。
4.申告日は所得税申告と同様、贈与日の翌年の4月15日です。
5.その他、申告もれには、所得申告と同様に罰金が課せられますし、不足分には金利が付せられます。
6.所得申告の延期は同時に贈与申告、フォームの709にも適応されます。
7.消滅時効も所得税と同様に適応されます。
Net Gift 手法に関して:
一般にはあまり知られていない手法ですが、受贈者が贈与者に代わって、贈与税を支払う方法です。したがって、税金の分だけ贈与額が少なくなります。贈与者は贈与をしたいのですが、現金が不足しているなどの状況に発生しますが、贈与者に対して所得が発生する可能性があります。理由は法廷の解釈がこれは部分販売であり、部分贈与であると解釈しているからです。例えば、贈与税の額が贈与された物の取得価格より多いい場合、この超過分は実現価格が税務上の取得価格を超えているとされ、利益とみなされます。
Gross Estate 総遺産
税法セクション2033 遺贈者(死者)の財産
総遺産に含まれる死者の財産とは法令の2033に規定されている死者の Interest(権利)、つまり死者の財産権、所有権です。ここでは、常識的な権利は読者の判断にまかし、注意すべき事項を下記します:
1.死者の病院代とか薬代などの医療保険の支払い分は総遺産にふくまれます。
2.死者が存命中に支払った税金で、死後に払い戻しがあった額、これも総遺産に含まれます。
3.車の事故などで死者がこうむった痛みとか苦痛に対して支払われた金額は、これが生存配偶者に支払われる場合でも、死者に対して支払われたとして、総遺産にふくまれます。
但し、不法死亡訴訟、死者の生存近親者が起こす訴訟に対する支払いは含まれません。
賃貸物件の所有者が月の中半で死亡します、そして家賃は月の初めに支払われたとします。このばあい、半分が総遺産に含まれます。
寡婦産権とかんふ権 (Dower and Curtesy Interest)
充分、法律家と相談をする分野ですが,税法令のセクション2034にありますので、限られた範囲で説明をします。コモンローでの定義は多くの州では州法に置き換われており、死者の遺産は生存配偶者の法廷取得分となるとされています。これはどういうことかといえば、例を挙げて説明すると、例えば財産を配偶者に渡さず、すべて子供に遺産として残したとします。この場合、州にもよりますが、配偶者は死亡した配偶者の遺書に反して、生存配偶者の法廷取得分をとることが出来るのです。
前にも書きましたCommunity State, 例えばカルフォルニア州などの場合、生存配偶者の取得分は死亡配偶者の総遺産の中にはくわえられません。なぜなら、死亡配偶者の物ではないからです。従って、セクション2033は該当しません。ですから、総資産の中に加えられないのですから、該当する財産権に対する配偶者控除はありません。夫婦財産権というのはその州に居住している時に取得した時点で発生します。つまり、カリフォルニアに住んでいる時に取得したのであれば、それは Community Propertyであります。取得時の居住州の法が支配するのです。
死の3年以内にされた贈与 -セクション2035
多くの誤解を呼ぶ分野です。通常の場合、この期間のギフトは贈与者の総遺産の中には含まれません。この種のギフトはほかの1976年以降の課税対象贈与と同様な取扱いなのです。しかしながら、もしも贈与者が贈与をしておきながら、変更したり、訂正したり、取り消しをする様な権利を保持している場合はこの期間の贈与は贈与者の総遺産に含まれます。特に、生命保険の贈与はは死ぬまでの3年間の間はその生命保険のポリシーが贈与者の名義になっていますから、贈与をしたとしても、これは贈与者の総遺産に含まれます。また そのようなギフトに課せられる贈与税も総遺産の中に加えれます。これはグロスアップ アプローチと呼ばれ、贈与税額が遺贈税逃れをするのを防ぎます。次に、
それは総遺産の中に含まれるべきものなのか、それとも計算上、課税ベース額を算定するために課税遺産に加えれるべきものなのか、この違いを説明します。もしも、その贈与が総遺産の中に加えられ物であるなら、それの価値は再計算を、再評価をする必要があります。贈与者の死に伴って、その日の市場価格であるための金額が加算される必要があります。一方、その贈与物が課税遺産に加えられるものであるならば、その贈与物の価値は贈与を受け取った日の価値となります。前者の場合は遺贈者がなくられた日の市場価格を、後者の場合は贈与がされた日の、贈与日の価格となりますし、無論、加えられるのは課税価格ですから、年額控除($14、000)を指し引いた残額となります。
セクション2035に規定してある、死の3年以内にされた贈与が贈与者の総遺産に含まれないという規定は以下の4点に関しては該当しません;1、セクションの2036、生涯権を持続保有した贈与、2.セクション2037、死という結果で効果をもたらした資産の移転、3.セクション2038、撤回可能な移転、4、セクション2042、生命保険からの支払い。
不完全な資産移転に関して、セクション2036と2038
税法規セクション2036と2038の考え方は被相続人が、遺贈者が資産の遺贈をしました、しかし、この行為の後も遺贈者は遺贈された資産に関してある支配を維持しているという見解を、概念を前提として遺贈をしているとします。ですから、このような移転は遺産税法上、不完全、不十分であるとされます。
例題を挙げます;
夫とその妻が両者で夫婦共有財産権を信託を設定し、信託名義とします。信託の内容は生涯権を妻に、残余権を子供たちに設定したとします。その4年後、夫は他界しましたが、彼の総遺産の中には何も含まれません。なぜかといえば、確かに彼の部分の夫婦共有財産権は信託に譲渡されていますが、譲渡人ではあっても彼は設定した信託に対して何の権利も支配も持っていないからです。今度は妻が他界したとします。そうすると信託に設定されている夫の共有財産権は彼女の総遺産の中に、彼女の夫婦共有財産権とともに含まれます、なぜかといえば彼女は夫の分に関しては生涯権をもっていたと同時に彼女は自分の分に関してはその財産の子供たちへの譲渡人でもあるからです。つまり、財産に対しての支配力と生前、信託財産を享受していたからです。
要約すれば、彼女には2の権利があった。一つは生涯権、もう一つは自分の分の財産の譲渡権です。
例えばAさんが信託を設定し、BとCに生涯権を、そしてDに残余権を与えたとします。ただし、信託からの収入に関してのBとC へのその配分の権利をAが有していたとします。この信託はAの総遺産の中に含まれます。同様に、したく収入の配分をBとCに配分するか又は配分をしないで、その収入をDのために信託に備蓄しておくとしても、この信託はAの総遺産に加えられることになります。
年金、セクションの2039
概略的な説明ですが、年金とはある個人または会社がある個人(年金受給権者)にある期間に固定金額を支払う契約です。期間については無制限のもの(in fee)、生涯限りとするもの(for life),一定期間のもの(terms of years)などが存在します。支払いの間隔や金額の定め方、期間満了前の受給者の死亡時の支払いの対処方法など色々な差異があります。。commercial contracts とnoncommercial contractsの違いを説明します。Commercial の場合は会社の場合、多くは保険会社です。保険会社と契約を結び、年金を組む形ですが、Noncommerical の場合はPrivate annuityともよばれ、例えば信託を設置し、そこに貸しアパートなどの資産を信託財産とし、そこから年金を支払うような形の年金制度です。
年金の種類
(1)Streight life annuityとは保険会社が年金受給者に生涯、定期的に年金を支払い、その人の死をもって支払い義務を終了するような年金です。
(2)Joint and Survivor annuityとは保険会社がAとBに定期的に年金を支払い、A またはBの死後も、生存者に支払いを続行する。
(3)Self and survivor annuity .会社がAに定期的に年金を支払うことを約束し、Aの死後もAが指名した受益者の生存中、年金の支払いを継続する。
(4)Refund featureという条項が年金にはありますが、これは年金受給者が早期の死に遭遇したために、会社が資金投資の一部返還を年金受給者の遺産にもどすまたは年金受託者が指定した受益者に一部を払い戻すことを意味します。
例題
Aがstreight life annuityを購入します。内容は65歳に達した時点で毎月$6,000受け取ることが出来ます。
Aは70歳の時に亡くなります。この場合、死の直前までの収入は別として、このAnnuityは総遺産の中には含まれません。しかし、例えば 同じ条件に、さらに生存者財産権として生涯、月額$3,000をWに支払われるという条項を付加したとします。Wは62歳で他界したとします。Aの総遺産は62歳の人の生涯に月額$3,000支払われる同等の契約の価値を含みます。
以上を方程式で表現すれば:
年金購買価格に対する死者の寄与額を年金の総購買額で割ります。算出された商に死者の死亡時の年金の価値または戻り金額を掛ます。この算出された積が亡くなられた年金受領者の総遺産に加算される金額です。
例えば、前例と同じ条件で、AとWはカルフォルニア(共有財産制度にもとずく州)に住む夫婦だとします。年金契約の保険料は共有財産から支払われています。従って、Wは半分を支払っているわけですから、Aの総遺産に組み込まれる金額は半分ということになります。
共同所有権 Joint interests セクション2040
(1)Tenancies in common 共有不動産権
同一の土地に対して複数の者が、同時に共有をなしうるそれぞれ独立の権利を持っていることです。一人の所有者が死亡したとしても、その人の持ち分は他の保有者に吸収されることはなく、各人の持ち分はそれぞれ別個に相続されます。合有権者に権利なし。
(2)Joint Tenancies 合有不動産権、4 unities.
同一の不動産に関する同一の譲渡行為によって、2名以上の者が同一の時に始期を有する同一の権利という、4っの同一性の要件を備えた不動産権で、権利者の内のある一人が死亡した場合には相続を生じず、その権利は生存者の権利の帰属の原則により、残りの合有権者の権利に吸収されます。Unity of time, unity of title,
Unity of interest, Unity of possessionの4っの同一性の要件に注意。
Unity of time とはその財産への所有権が同時に発生しなければいけないのです。Aが持っていて、それをBと共有するのでは、同一発生ではありません。もしあえてそれをするのであれば、Aはまず所有の財産を、第三の人物に(案山子さん)渡し、そしてCからAとBは同時に譲り受ける、これにより所有の同時性が満足されます。Unity of Title. 共有者はその財産を同じ法律的文書、証書から同じ権利を得なければならない、つまり同じ権利を同じ捺印証書とか遺書とか得るのでなければならない。Unity of Interestとは 合有財産に対して合有者は同じ権利でなければならない。Unity of Possession とは合有者はその所有物に対して同じ全体を所有する。A, B, Cがその土地の合有者であるにはA もBもCも同様にその不動産の全体を所有している。これをUnity of Possessionといいます。重要な点は生き残った合有権者の権利が残存することです。
(3)Tenancies by the entirety 夫婦全部保有不動産権
これは夫婦間の特別な形のJoint tenancy (合有不動産権)です。
夫婦は一体であるという夫婦一体の原則に基づき、夫婦のみに認められる不動産の共同所有形態。夫婦一方の死亡によって他方がすべての権利を取得する。したがって、これは夫婦間のJoint tennacies とも言えます。
(4)Community property 夫婦共有財産制
夫婦が婚姻中に取得した財産は婚前などのseparate propertyを除き、すべて共有財産とされる制度です。separate propertyとみなされる財産は婚前取得の物とか、贈与、遺贈、相続などにより取得された財産を指します。カルフォルニア州はcommunity propertyであることに留意してください。夫婦間の共有不動産権であり、同一の土地に対して夫婦が、同時に共有をなしうるそれぞれ独立の権利を持っていることです。一人が死亡したとしても、夫婦のどちらかの死亡とは関係なく、各人の持ち分はそれぞれ別個に相続されます。死は権利を断続させません。
ここで注意する点は(1)と(4)のtenancies in commonとcommunity propertyでは死は持ち分の権利を消滅させません。各人の持ち分はそれぞれ別個に相続されます。(2)と(3)では生存者に権利は帰属します(survivorship). (1)から(4)に言えることはいずれの場合も、2人以上の人が分割されていない一つの権利を共有していることです。州によっては(3)を認めていない州もありますが、(2)に生存者権利、right of survivorshipを補足して、Joint tenancies with right of survivorshipとして認めています。
(1)と(4)では持ち分はそれぞれ別個に相続され、死は権利は消滅させませんから、死亡した場合、その権利は遺産に含まれます。例えばAは死亡時に$4,000,000共有不動産権の4分の1を所有していたとします。
Aの総遺産は$1,000,000を含みます。AとBは夫婦で、カルフォルニア州に住んでいます。夫婦はAの死亡時に$1,000,000の土地を共有していました。Aの総遺産には$500,000が含まれます。従って、死に伴って、セクションの2040、共同所有権の影響があるのは(2)と(3)の場合となります。
資産に対する権利とは大きく2分することが出来ます。ひとつは元本、つまり収入源となる基本財産であり、もう一つはそこからの収入であります。このため、資産の色々な分割の仕方が生じます。一例を挙げます:
Aは牧場を所有しています。Aは信託を設定し、牧場を信託財産とします。そしてAの息子であるBに生涯不動産権を、孫に残余権を設定します。このアレンジメントでは、Bは生涯不動産権を所有していますから、生きている間、彼は牧場を使うことが出来、そこからの収入を得ることが出来ます。彼の死をもって、信託は終結いたします。この時点で、基本財産である牧場は孫の所有物となります。
ギフト関係で要注意の例をあげます。Aが銀行口座に$100,000を入れます。口座名は娘のBの名義も含むとします。この時点では贈与は発生しません。Bが翌月、70,000どる、その口座から降ろしたとします。この時点で贈与が発生しました。Aが米国債の投資をし、名義をAとBにします。この時点では贈与は発生しません。Aは自分の意志で何時でも投資を解消することが出来るわけですから。それからしばらくして、Aは死亡しました。この時点でもBに対しての贈与は発生しません。これはtestamentary disposition(A
はBのために国債に投資をした)ということになります。しかし、Aの総遺産には死亡時のこの国債の市場価格が含まれます。
最後に、夫婦間の spousal joint tenancies とtenancies by the entiretyの税法は大変簡単になったと考えてよいと思います。それは配偶者控除、marital deduction,が金額的に上限なし、無限ですからです。
権利取得者指名権(Power of Appointment), セクション2041と2514
財産を所有している人はその財産を人に与える権利を持っています。この人に与える権利をその財産から外すときpower of appointmentと呼ばれるコンセプトが生まれます。
Power of Appointmentとは財産権を有する者が、現在または将来に関して誰がその財産権を帰属するのかを決める権利です。財産権を有する者がその財産を所有してはいないのです。その人の権利は誰がその財産を保有するのかを決める権利をもっているのです。セクションの2514は指名権を有している人の生存中における贈与に関する影響、権利であり、セクションの2041は死後の遺産税に関する事項です。
指名権を付与した人をDonor(指名権設定者)と呼び、付与された者をDonee(指名権者)そして指名され、その権利の帰属者をAppointee(被指名者)、対象となる財産をappointive property(指名対象財産)と呼びます。そして被指名者がその権利を実行に移さないとき、つまり、権利取得者指名権の不行使があるとき、その財産はthe default takersのものとなります。
Gは財産を信託に移行します、信託財産の成立です。そこで、Aに生涯の間、信託収益(信託受益権)をあたえ、A がその遺書でAの子孫に財産の残余権の帰属者の指名する権利を与える。その不行使が生じた場合にはdefault takersとして慈善事業団体Xとする。その後、A は死亡し、その遺書で、Aの長男を残余権の所有者として定める。
Power of Appointmentはどうして造るかといえば、生存中の信託や証書、または別個の権利取得者指名権証書で造ることが出来る。指名権設定者は遺書でも権利取得者指名権を造ることが出来る。Power of Appointには通常2種類ある。一つはgeneralと呼ばれる。指名権者の権利の行使に制約とか条件がない。したがって、指名権者自身が自分自身を新しい所有者として任命できる。色々な局面から見て、権利取得者指名権の指名権者は資産の実際の所有者のようです。権利自体(Power)は特定な権利、特別な権利、そして制限された権利の3様に別れます. 指名権設定者はある個人、またはグループを権利の、Powerの対象としますが、これには指名権者、指名権者の債権者、指名権者の遺産、指名権者の遺産の債権者は対象となりません。さらに、指名権設定者は指名権者の権利の施行に、あくまでも合法的な範囲ではありますが、条件を取り付けることが出来ます、例えば、被指名者の教育費とか健康関係などの範囲内での権利施行というような条件を指定します。
指名対象財産の指名権者はその対象財産にたいしての法的な権限またはエクイティ上の権限を有しません。その代り、指名権者は指名する権利を有しています。被指名者が指名権設定者から対象財産の権限を貰うのです、指名権者ではありません。ある被指名者が対象財産を望んだとしても、指名権者はその希望に沿う義務はありません。他人の財産の受託者とは異なり、指名権者は信任関係のある受認者、受託者ではありません、その財産を経営管理する必要もありませんし分配する必要もありません。受認者的資格ではないのです。権利取得者指名権は代理契約でもありませんし、指名権者は指名権設定者の代理人(エージェント)ではないのです。指名権設定者は指名権者が権利取得者指名権を行使するのに使わねばならない方法を指定することが出来ます。たとえば、指名権設定者の生存中に権利取得者指名権を行使するような条件を命令することが出来ます。その反面、遺言によって定めると指定することも出来ます。権利取得者指名権は信託などによく使われます。具体例を書きます、その方が解かりやすい面もあります。
例題:
Dは配偶者と死別した男子とします。Dは彼の財産の一部を贈与として信託に移行します。生涯権としてA とBとDの娘のCに設定し、そしてDの孫たちに残余権を設定します。信託証書の条項として、X信託銀行が受託者に任命され、Dの姉であるSが信託からの収入をどうA,B,Cに配分するか又は信託に未配分として残すかを決める権限を与えられる。このような形態をとることにより、Dはまず信託銀行を信託としての安全性を確保している。そして姉のSに権利取得者指名権を持ってもらうことにより、家族の収益受託者の色々な必要性を認識して配分する特典をもたせ、同時にSは単なる権限を有しているのみですから、その権限を行使しても、しなくても良いわけですから、Sが課税対象とはなりません。では、なぜD自身が権利取得者指名権をを持たず、姉のSにその権限を託すかといえば、彼が持てば、彼の死をもって、信託が彼の総遺産の中に加えられることが一つ、次にDは姉の方が長生きすると考えたことが一つ、最後に、A, B, Cへの配分の制御は彼の死後にもなされねばならないからです。では、なぜ Sを信託の受託者としなかといえば、一般的にいって、家族のメンバーは良い信託の受託者にならないというのが通例だからです。
生命保険 セクションの2042
生命保険のポリシーとはそのポリシーの所有者と保険会社間の契約です。所有者の支払い、プレミアムと引き換えに、保険会社は指定された人(被保険者)が死亡したとき、保険の受取人に決められた金額、額面額(face value)または(英語でProceedsと使われますが、日本語では適訳はありません)支払われます。多くの場合、所有者と被保険者は同一です。被保険者の死にくわえて、保険会社は支払い義務に条件を付帯することがあります。例えば、被保険者が保険を購入直後、自殺した場合、保険会社にしはらいぎむはないとするとか、被保険者が申込用紙に病名を偽って、記載していたとかなどです。その人の生命保険を得るにはそこにはその人に対する被保険利益(insurable interest)が存在しなければなりません。被保険利益(insurable interest)とはその人の自分自身の命並びにその人に対して、生きていてほしいという強い念願が存在すると解釈できると思います、無論、不慮の死は別としてですが。ですから、自分自身の命に対してであり、それは自分の家族に対してであり、両親であり、妻であり、息子たちであります。会社の場合もあります。会社が重要な社員の命に被保険利益を持ちます。被保険利益を有している人が生命保険のポリシーを得た場合、この人は自分が欲する誰にでもその所有権を移行することが出来る。この場合、新しい保有者は被保険者に対する被保険利益を有していなくてもよいとされている。
死亡に備えてどのような財産処分の方法をとるかを考えるのが遺産処分計画です。生命保険法はその一つです。若い人にとって、その人の一番価値のある財産であるかもしれない。ほとんどの州法は生命保険の支払金額を
保険契約者の債権者からの損害補償請求から保護します。生命保険は保険契約者やその家族にとって”インスタントな信託財産”とも言えます。保険からの支払いは死亡した保険契約者の給与の代わりとして、代わりの収入ともなる。その上、生命保険からのの支払いは無税です。保険金の受益者は税金を支払う必要はない。支払われた金額で死者の遺産税を支払うことも出来る。それがなければ、死者の遺産を売却して、遺産税をしはらわなければならない場合もありうる。
生命保険の種類
Term Life Insurance
これが一番基本的な生命保険です。保険契約者がある決められた、特定の期間中に死亡すれば、受益者に保険金が支払われる。保険契約者がその期間以上に生存すれば、保険の支払わない。Term Life Insurance が最も経済的な保険といえるかもしれない、特に若く、元気なわかものたちにとって、この保険のプレミアムは限られた期間内の保険の原価をカバーしているからです。ただし、難点は年をとるとともに、プレミアムが上がるし、支払われたプレミアムは積立金とはならないし、保険契約者の健康が損なわれた場合、保険の再契約は危ぶまれる。
Whole Life Insurance
特定の期間に限定されず、保険契約者の全人生にわたって生命保険保護をする保険です。プレミアムの値段は生命保険のポリシーが始まった時点から契約者の死に至る時点まで変わりません。 またはadvanced ageと呼ばれる、例えば90歳とか100歳に達せれば、保険はプレミアム支払いなしで、有効です。ただし、契約者の年齢が若い時点では、プレミアムはTerm Lifeのそれと比べて、はるかに高価です。このプレミアムの超過分が、高い分が保険のポリシーのCash value,現金価値またはcash surrender valueと呼ばれる積立金として蓄積されるのです。この積立金を担保に保険会社から一般よりは有利な金利でお金を借りることも出来ます。しかし考えてみれば、自分が積み立てた、自分のお金を借りて、それに金利を支払うわけですから、ある意味では矛盾を感じさせます。積み立てた蓄積金は色々な理由価値がありますが、ここではその説明を省きます。また一般論では、Whole Life Insuranceは保険契約者が加入初期の段階で高めのプレミアムを支払い、その現金価値に対して相応の戻り値がないことから、賢い保険投資とは言われていません。
Universal Life Insurance
Whole Life Insuranceと相似していますが、違うのは現金価値に対して相応の、市場価格のレートが支払われます。積み立てられた現金価値が市場より低いレートが適用されるのではなく、保険契約者が一般の投資活動で得られるような市場価格の収益率が支払われます。保険のポリシーの書かれ方にもよりますが、一般的に、保険の契約者は保険のプレミアムの変更や、支払回数の変更や積立金の投資の方法や額面の変更なども任意でできます。自由があるといえます。
Endowment Life Insurance
この保険はWhole lifeとUniversal lifeと共通点を多く持っているのですが、プレミアムの支払いが若い時点で必要なくなるのです、通常は62歳とか65歳です。その時点で現金価値が額面額と同じになります。保険の所有者がその年まで生存したとすると、保険の額面額がその人に支払われます。保険会社としても額面額を支払う可能性が高いわけですから、従って、保険のプレミアムも高価です。
Split Dollar Life Insurance
大きな特徴は誰がプレミアムの支払いをするのかという点です。保険者と保険者の雇用先である会社がプレミアムの支払いをします。保険者が亡くなったとき、保険会社は支払いの一部を会社にします。通常、この金額は会社が保険者のために支払ったプレミアム額です。それを差し引いた、残額は保険者に支払われます。税法上、有利な点がある保険です。
それではカリフォルニアなどのCommunity Property州に該当する生命保険の例を書きます:
Aは婚前、額面$100,000の自身の生命保険を購入しました。この保険のプレミアムの支払いは下記のごとくです:Aの婚前からの資産から:$5,000、Wと結婚後の夫婦の資産から$20,000でした。
この時点でAは死亡し、保険会社は保険の指定対象者である受益者である息子のSに$100,000を支払いました。全員、カルフォルニアに住んでいます。保険のポリシーは20%が特有財産(separate property)であり、80%が共同財産(community property)です。プレミアム額の20%、$5,000/$25,000は特有財産から支払われ、80%、$20,000/$25,000は共同財産から支払われました。従って、Aの総遺産は$100,000の20%(特有)と$100,000の80%の半分(50%)、計$60,000を含みます。Wが$40,000の贈与をAにしたのだと判断されます。
生命保険を贈与の角度から考えてみます。
1.Aが自分の生命保険を購入しました。Sをその保険の受益者とします。これは贈与ではありません。
2.では、Aが死亡しました。上記のポリシーからの支払いはSに支払われました。贈与ではありません。これは遺贈です。
3.それでは、Aが生前にSに保険のポリシーを与えたとします。ここでは贈与が発生しました。AはSに与えた保険のポリシーのプレミアムを払い続けます。贈与が発生しました。
4.AはBを保険の受益者と特定したSの生命保険のポリシーを所有しています。Sの死をもって、保険金の支払いはBにされました。AはBに贈与をしたことになります。
課税遺産額
全体像
課税遺産額の基礎的な計算は下記の順序で進めます。
(1)総遺産の中身を確定します。注意すべきは死者の子孫や遺書上での受益者にわたる資産のほかの資産、法廷の方式に従って遺言能力のある遺言者によって作成された遺言と証明され、裁判所のよって確定された〈probate court)財産以外にも総遺産に含まれるものもあることに留意すること。
(2)総遺産の一つ一つの価値を確定する。
(3)経費を確定する。経費とは以下のものを含みます。
the marital deduction, the charitable deduction, administration時のexpenses, debts, taxes, losses
などです。
(4)Tax Baseの確定
上記の(2)から(3)を差し引いた残額をtaxable estate(課税対象遺産額)と呼びます。このtaxable estateに死者が1976年12月31日移行に死者が行った課税対象の贈与金額を加えます。この額をEstate Tax Base と呼びます。
(5)上記のestate tax baseに対して税金を計算しますが、これは暫定的税額です。この暫定額から、税額控除、終身移行額(lifetime transfer)に対する贈与税額、州の相続税控除、2重払いになっている砂金支払われた遺産税額などが差し引かれます。
総遺産の内容
まず、総遺産には何が含まれるのか?その人が死んだ時に死者が所有している権利のすべて、すべてのProperty ,それが不動産または人的財産、有形または無形財産であっても含まれるのです。また、検認法廷で確認された遺産probate assesは一般的に含まれます。寡婦産権とかんふ権 (Dower and CurtesyInterest)は含まれます。死亡時所得(income in respect of a decedent, I.R.D.)は全相続財産の中に加えられますが、この財産の分与を受けた人に課税されます。Joint Tenancies 合有不動産権 with rights of survivorshipは検認法廷外の存在ですが、全部または部分的に全相続財産に含まれます。Non-spousal joint tenantは全額を全相続財産の中に入れて、そこから、生存者が所有する部分(金額を支払った分)を差し引く。例えば親が不動産を全額支払い購入し、子と不動産を共同所有しているとすると、親の全相続財産に総額含まれる。一部、子が支払ったとすれば、その所有パーセンテージ、差し引く。配偶者のみがjoint tenants with right of survivorshipまたはtenants by the entiretyの場合は特別なルールがあり、配偶者の支払い額に関係なく、50・50のしょゆうとなるので、死者の総遺産の中には50%しか含まれない。年金とかペンション・プラン、個人の退職金、死に伴って支払われる金額は死者の権利のものであれば総遺産、全相続額の中にふくまれます。例えばstraight life annuityのように保険者が生きている時のみに支払われるような年金は全相続額中には含まれません。年金とか保険金の場合は色々な条件で、判断が違ってきます。ポイントは死者の所有権利に焦点をあわせて、専門家とご相談ください。預金残高を誰に死後、支払うのかの指名権利を故人が持っていたのであれば、全相続額に加算されます。個人が決める権利を所有していたのですから。ですから、よく話題になる、故人が死ぬ3年間の間のギフトでも、例えば故人が死ぬ2週間前に子供にその不動産を全額あげたとします。この不動産は総遺産の中には、故人は死亡時に所有していなかったのですから、相続総遺産の中には含まれません。。それでも、これが1982年以前の場合ですと、含まれます。それでは、生命保険の場合を考えます。故人は生前、額面30万ドル生命保険をかけていました。2010年1月7日に自分の息子にこの保険を贈与したとします。2012年4月7日に他界したとします。故人の総遺産の中にこの贈与した保険は含まれるのでしょうか? これが質問です。生前における生命保険からの支払いは全て故人の総遺産に含まれます。そして生命保険に関しては、死時においては既に息子に与えたのですから、そこには付帯権利は存在しないのですが、これは死ぬ3年間以内に移行されたということで、故人の総遺産に含まれます。年間控除額の14000ドルの対象外でもあります。長くなるので、簡単に説明をしますが、Q-Tip Property(限定的な期限・条件付き財産権)関係では夫婦は配偶者に対して制限なしの、非課税の、資産の移行が認められています。税金がかからないのです。配偶者控除です。Marital deductionです。法令のセクション2056によれば、配偶者控除の恩恵を受けるには、その遺産が死別した配偶者の総遺産の中に含まれており、そしてそれは生存配偶者に移行するか又はすでに移行しているという条件が付きます。例を挙げます。
例:夫が死別して時点で、額面100,000ドルの自分の生命保険を持っており、妻を保険金の受益者として特定していた。夫婦は時価250,000ドルの不動産を夫婦全部保有不動産権(tenants by the entirety)として保有していた。(この不動産の購入は全額、夫の資金で支払っていた。)この移行に関する配偶者控除額を計算します。$100,000 + 250,000 x 50% = $225,000が夫の総遺産の中に加えられます。そしてこの金額が配偶者控除額として生存配偶者に移行する資産を示します。これが配偶者控除です。
ところが、この非課税の、無限の、資産の移行であるには遺贈の場合には税法規のセクション2056、贈与の場合にはセクション2523の条項を満たしていなければなりません。ここで、すべてを説明できませんので、条件の一つを説明します。生存配偶者は期限・条件付き財産権を非課税で受け取ることは出来ません。これはどうゆうことかというと、その財産権に付帯している条件や期限のために、生存配偶者がその財産権を失ってしまうような条件や期限が付帯している場合です。例としては、生涯不動産権とか生涯権とか再婚したら無効などが代表的な例です。期限・条件付き財産権は通常配偶者控除の対象になりません。なぜならば、そのような財産権は生存配偶者の遺産の中に含まれませんから、財産権が2度目の課税対象から逃げてしますからです。(一度目は配偶者控除として非課税。)ところが重要な例外があります、それがQ-Tip Propertyと呼ばれるqualified terminable interest propertyと呼ばれる資産です。ここでは、まず、死者、遺贈者、亡くなられた配偶者が生存配偶者のために生涯利得が貰えるような信託を、trust,を設定します。信託受益権です。そうしておいて、同時に、その他の残余の遺産は遺贈者が望む者に配分出来る条件をつけ、遺贈者(亡くなった配偶者)の信託がこの資産に対する配偶者控除を得られるべく許可するようにする。つまり、生存配偶者の場所に信託を置き換えるのです。このようにすることにより、課税を逃れるのを防止しているわけです。生存配偶者は遺産に対して受益者を権利や遺産に対する権利を持ち合わせないにも関わらず、生存配偶者の死時に残っている残余のQ-Tip Propertyは生存配偶者の遺産の中に含まれることになります。
例を挙げましょう:Aさんは再婚者です。Aさんの遺書には当時の価格で300,000ドルの資産を信託に移行し、その資産からの収入は現在の奥さんのBさんが生きている間は生存配偶者のBさんに、そしてBさんの死後は、信託の財産額は前の奥さんとの間に生まれた子供たちに配分されると示されています。Aさんの遺産(Estate)は限定的な期限・条件付き財産権(Q-tip property)として300,000ドルを配偶者控除として税法上で選択します。Bさんが亡くなりました。死亡時の信託に移行されていた300,000ドルの財産の市場価格は1,000,000ドルでした。Bさんの総遺産はこの1,000,000ドルの信託財産を含みます。従って、Bさんの遺産はこの値上がりした金額に対して課税されます。この理由はBさんはあえて値上がりした分の税金を払うことにより、この増加した課税額を相続する子供たちに課せられないようにしたわけです。(例えば生存配偶者が再婚してしまい、残した資産が他人に移行してしまうなどの配慮から、利用されるのがQ-Tipです。)次に、家族で会社を経営している場合を考えます。会社の資産の一部を故人の総遺産から除外出来る可能性があります。税法のセクション2033Aです。除外の条件を満たすのは大変複雑です。故人の家族のメンバーであり、且つ、故人の死別する前の7年間の内、少なくとも5年間は家族の事業経営の主だったメンバーであったことが要求されます。この除外に該当するにはこの家族の経営事業の純資産価値が故人の調整総遺産額の50%以上でなければならない。調整総遺産額とは総遺産から必要経費を差し引いた金額を指します。
遺産の評価
その人が亡くなった日が評価額の基準の日となります。20年前、祖父が100ドルで買った農地が、近隣にコンピューター会社や工場が出来、祖父が亡くなった今日、その値段は百万ドルです。通常、百万ドルが遺産価格となります。しかし、その土地を相続した孫たちはそれを現状の農地として、農業に営みたいとしています。この場合、法令のセクション2032A、Special Use Valuationと呼ばれる条項があり、その土地が農地としては50万ドルの価値であるならば、50万ドルの遺産額として評価されます。もっとも、このような限定された土地の評価額の最高値は、2015年では、$1,100,000です。(インフレ率調整で毎年変わります)。
亡くなられた人は色々なものを後に残します。本であったり、ネクタイピンであったり、宝石であったり、さて、これに対して市場価格を見つけなければならないわけですが、通常、一つのものに対しての市場価格、つまり、現在値が$3,000以上の物が税の対象となります。この場合、物とは有形、無形資産の両方です。物の価格評価は市場価格であるといっても、例えば、その資産にある付帯条件がついており、通常であるならば、市場価格で売買できるものであっても、その付帯条件のために市場価格を呼び込めない場合には、a fractional interest discountと通称される値引きが許されます。たとえば、市場価格で500,000ドルの土地の半分を共有していたとします。250,000ドルの価値です。ところが、その土地は正確に、自由に等分することが困難な地形であったとすれば、全体で500,000ドルであっても、その半分は250,000ドルの価値があるとは言えません。所謂、販売可能な値引きが許されます。株にしても、すぐ売るとなると市場価格に対して値引きを要求されます。A Brokerage discount です。市場価格からの値引きが許されます。
遺産の評価日
先にも書きましたように、通常の場合、その人が亡くなった日が評価額の基準の日となります。例外があります。故人の代表者が交替の評価日を選択することが出来ます。alternate valuation dateと呼ばれ、死亡した日から6ヵ月目の日です。この選択には以下の条件が付いてます。この日を選ぶには6ヵ月後を選ぶことにより、(1)総遺産の評価額が減少すること、(2)遺産税が減少することの2点を満足させなければなりません。また、どちらかの日にちを選ぶのであって、遺産の評価に両方の日にちを混ぜることは出来ません。
必要経費
(1)配偶者控除
夫婦の一方から他方への財産の移転は控除されますから、原則として、遺産税上、非課税です。(税法セクション2056)。この移転には制限がありませんから、unlimited marital deductionと呼ばれます。
(2)慈善事業などの公益を目的とする事業への寄付経費
この移転には制限がありません。無制限です。
(3)その他の必要経費、税金、借金など
葬儀代、遺産管理手続費、借金、税金は総遺産から控除金額です。例としては、遺産に関する弁護士代、代表者の給与、会計士などの評価や会計費、税金の分野では固定資産税、未払いの贈与税、生前の所得税などです。控除できないのは連邦・州の遺産税です。遺産の管理・処理中に地震で故人の家屋が崩壊しました。全額、控除できます。
遺産税の計算
遺産税の計算は課税遺産額の限界を定めることから始まります。課税遺産額とは総遺産の価値から遺産税額控除額で減少させた額です。Taxable estate = gross estate - the estate tax deductions.これが課税遺産額の方程式です。次に、この課税遺産額に1977年1月1日以降に個人が贈与した課税贈与額を贈与したときの全額で加算します。この金額が課税ベース、課税標準額です。tax base = taxable estate + taxable gifts after 1/1/1977. これが課税標準の方程式です。注意すべきは、加算される課税贈与額は年額控除の贈与とか医療・教育費控除額、配偶者控除や慈善事業団体への寄付金額は含まれません。この課税ベースに法令のセクション2001(c)に明記されている税率を掛けた額が仮設税となる。あくまでも、この段階では仮設税額です。
以上、米国公認会計士 上田 稔
連絡先はcpaminoruueda@gmail.com or
minoueda@hotmail.comにどうぞ。